お見送ってもらえる幸せ

f0119179_035149.jpgなかなか行く時間が取れなかった所へ金曜に漸く行くことが出来ました。用事が済んだ後は久しぶりに蛸薬師の「エレファントファクトリー」へ。奥のテーブル席で深煎りブレンド(600円)をお願いしました。手前のテーブル席は常連さんらしく会話が弾んでましたが、奥まった席だと喋り声もさほど気になりません。「しっかりとした苦味とコク」とメニューにある通り、モモ母好みのコーヒーをいただきながら、ゆっくり寛ぎました。
幅の狭い急な階段の2階にあるからでしょう、帰るお客さんをいつもお店の方が降りるまで見送ってくださいます。ふと、先日読んだ「火車」を思い出しました。関根彰子の母の転落死は他殺か事故か不明。でも地元の刑事は自殺説。行き着けの店で酔っ払った母は「危ないからやめろ」と言われても、いつも急な階段を1人で降りて帰る。そのうち転がり落ちて死ねたら良いなぁなんて思ってたんじゃないかと刑事は言うんですね。常連客は酔った彼女が階段を使うことをみんな知っていて、「危ないからエレベーターを使いなよ」と口では言うけど、一緒に着いて行ってエレベーターに乗せようとする人は誰もいなかった。飲み友達とワイワイやってても、親身なのはうわべだけというf0119179_1151319.jpg現代の孤独を感じるわけですが、思えばモモ母が好きな「昼行燈」も「フランジパニ」も、この「エレファントファクトリー」も、ご店主はみんな出口のところでちゃんとお客さんを見送ってくれるんですよね。最近ご無沙汰の「火裏蓮花」もそう。何気ないことだけど、そういう気遣いって実はとっても意味があるのだと「火車」を読んで再認識しました。
★ELEPHANT FACTORY
蛸薬師通木屋町東入
13時~21時 
木休
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by mmcmp | 2010-05-15 01:25 | 京都のカフェ | Comments(0)
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