北山にあった「
伽藍」の閉店から2ケ月近くが経ちました。閉店を知らせる書家の筆による美しい貼紙が静かな余韻を漂わせていましたが、今はそれもなくなり、代わりのテナント募集を見ると「ああ、本当になくなってしまったのだ」と実感して悲しくなります。萩原珈琲の豆を使った珈琲も美味しかったけど、チョコレートケーキもいかにも珈琲との相性を考えられていて絶品でした。閉店を知った時、まず思ったのは、「繁華街から離れた小さな珈琲店の閉店だけれど、これは京都にとって大きな損失だ」ということでした。ある方は文化の集まる京都でやっていけなかったことが残念とおっしゃってましたが、やはりこの店と京都を結びつけて考えるのはモモ母だけではないようです。
「
伽藍 閉店」といった検索ワードで当ブログを訪れて下さる方が何人もおられました。やはり惜しむ人が多いのだと思っていましたが、検索してみると、京都やグルメ関係のブログってすごく多いのに、「
伽藍」の閉店のことを書いた記事ってないんですね。学生さん等が気軽に入れる店ではなかったので若いブロガーさんは関心がなくて当然ですが、グルメ評論家や珈琲通を自認する人達のコメントがないのが意外でもあり、残念でもあります。そういえば飲食店をカタログ的に紹介するブログはあっても食文化を語るブログはそんなに多くないかも知れません。「
伽藍」開店10周年の時に寺町二条の書店Sの前のご主人が執筆された文章があるそうです。戦前からの珈琲店遍歴の末に「
伽藍」に出会われたという内容だそうで、機会があれば是非拝読したいものです。どなたかお持ちでしたら、ご一報いただけると嬉しいです。