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「K2」

「K2」_f0119179_0142962.jpg22日は三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで28日まで上演中の「K2」を観ました。前日の「あまから」と対照的にこちらはチケットがかなり入手困難だった堤真一と草彅剛の2人芝居。世界第二の高峰K2登頂に成功しながら下山途中に遭難した2人が極限状態の中で語り合う緊迫した内容です。実はモモ母は菅原文太と木之元亮の初演を観ているんですが、今回の方がぐっと来ました。
骨折して動けない妻子あるハロルドはテイラーに自分を置いて下山しろと言い、僕には愛する女性はいないけれど、親友はいる、その親友を残して下山してその後の人生後悔し続けたくないから残ると言うテイラー。「人生とは受け入れることだ」というハロルド。彼自身が現実を受け入れる過程で語られるキタキツネの寓話が印象的です。2つの作品は共通点もありました。ひたむきに役に向き合う役者を力のあるベテランが支え、終盤はどちらも客席からすすり泣きが聞こえ、幕と共に賞賛の拍手がわきました。モモ母もどちらもジーンとなった。でも「あまから」は目が潤む感じだったけど、「K2」は涙が頬を伝いました。死という重いテーマを扱っていることもあるけど、この差は脚本が大きい。「あまから」は台本を大幅に書き直したそうで、老舗やゲイの声をちゃんと取材してるのかな?と感動しつつ頭に疑問が残ったんですよね。「K2」は狭い空間で実際に山でやることと同じ作業をしながら濃密な台詞が応酬されます。草彅君が何度も舞台上の氷壁を登り、垂直下降は堤真一がザイルを確保してないとマジで危険、ザイルの結び方や装備点検を何度も稽古で繰り返したそうです。優れたホンに恵まれることで役者は役に集中し、より高いものを創り出せるんですね。ファンの欲目を抜きにして、この舞台の堤真一は良いです!
by mmcmp | 2010-11-23 01:03 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)
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