「裁きの家」

f0119179_18501465.jpgこれまた昨年のことですが、三浦綾子の「裁きの家」を読みました。背表紙の解説には「愛の絆を喪失した現代人の孤独な内奥と原罪をつき、家庭を新しい角度から追求」と書かれています。モモ母は「氷点」は読んだことがないんですが、小林多喜二の母セキを描いた「母」や自らを犠牲にして多くの人を救った青年を描いた「塩狩峠」は強い印象を与えました。いずれも筆致の迫力に、すごい作家だなぁ・・・と思っていたんですが、この作品は昔の昼メロみたいでどうも雰囲気が違う。と思ったら、三浦さんが初めて週刊誌に連載した作品なのだそう。なので、敵役はいかにもという感じにわかりやすく設定されてるんですね。
2組の夫婦と息子や姑が描かれ、対照的な妻を軸に物語は展開されます。専業主婦の優子は優しく貞淑で、仕事を持つ滝江は教授夫人の座を手に入れたけれど、退屈な夫に満足できず浮気三昧。優子の次男は当時でいう現代っ子で長男は絵に描いたような好青年。今どきの小説だと、この長男も実はこんな歪んだ内面が・・みたいなのがあるんだろうけど、彼は最後まで素直でそれもこの作品が描かれた30年前の時代を感じさせました。彼とガールフレンドの会話は現代では考えられない。「おれは男だ!」の森田健作とかも今みたらこんな感じなのかも。三浦作品でのモモ母のおススメはやはり「母」だけど、「裁きの家」もいろんなことを考えさせられるという意味では、なかなか面白い作品でした。
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by mmcmp | 2011-01-10 19:16 | カフェ読書 | Trackback | Comments(0)
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