「筆墨精神―中国書画の世界」

f0119179_20442551.jpg最終日前日になって漸く京都国立博物館に「筆墨精神」を観に行きました。京都国立博物館の中国書画の中核をなす上野コレクションの寄贈50周年を記念する展示で、王羲之から呉昌碩に至る書画の数々が展示されています。印刷技術が普及する前は書物は人の手で書き写されていたわけですが、そのひとつひとつがそれこそ印刷されたみたいに大きさも均一で驚くほど綺麗。筆が紙の上を踊るように華麗に運ばれていったであろう様子が、筆致からうかがえます。
ポピュラーな王羲之は勿論だけど、九成宮の欧陽詢も多宝塔碑の顔真卿も、美しい字というのは見ていて気持ちが良い。お経でなくても書写するということ自体が精神性の高い行為だったんだなぁと改めて思いました。それは写し取るという行為を超えた芸術に高められていったんですね。現代の書道もそれは同じなのだけれど、書籍の電子化が進み、書物を自ら書き写す必要のなくなった2011年の今、芸術的な意味は継承されているけれど、手で写し伝える、伝え残すという最初の役割が重視されなくなったのは残念な気がします。というのも、書かれたものの美しさは肌で感じられるけれど、書かれている事柄を理解するのが現代人には・・・というか、モモ母には難しい。この手の展覧会を観ると、見事さに感動する一方で、千年以上前の人達が残したものをきちんと受け止められない自分が、なんとも不甲斐ない気持ちにもなります。
http://www.asahi.com/ueno-collection/
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by mmcmp | 2011-02-19 23:11 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)
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