「伽藍の存在価値」

f0119179_0134488.jpg昨年、書家の上田普さん「いのり」のネックレスを送っていただいた時に、「伽藍の存在価値」という冊子を貸していただきました。寺町二条の書店「三月書房」の前のご主人宍戸恭一さんが、北山にあった「珈琲 伽藍」の10周年を記念して執筆された貴重なもの。モモ母がブログで読みたいと書いていたのを上田さんが覚えていて下さっていたようです。
戦時中の学生時代から始まった宍戸さんの喫茶店遍歴。学徒動員で海軍に入り、ジャワで本物の珈琲の味に出会われ、復員後はジャズと珈琲の相性のよさを体験されたとのこと。そうした遍歴の果てに理想の店「伽藍」と出会われたのだそうです。そして上田さんや画家を目指す学生さんら常連客との芸術談義。下世話な噂話や愚痴を言ってストレスを発散させることも喫茶店の大事な役割だけど、美しい空間で、訪れる者の知的好奇心を刺激する店も必要ですね。モモ母などはカウンターには座ったことがなかったけれど、今思えばマスターの美しい珈琲の淹れ方を間近で見ておくんだったと悔やまれます。ところで、ネットで「伽藍」を紹介したコメントにミルクの上部に塊が出来ていて珈琲が台無しになったと書かれたものがありました。読んだ時は、あの美意識の高いマスターが珍しいなと思っていたんですが、昨年「kotori cafe」さんでキャラメルミルクを飲んだ時に、ノンホモだからミルクの表面に膜が張るけど、古いワケじゃないからというような説明を受けた時に、「あっ」と思ったんですよね。最近は「食べログ」掲載不許可の店なんてのもあるようで、某店の店主が「今は素人が作って素人が批評する時代」とおっしゃってましたが、コメントする側にも読む側にも知識がないと、間違った認識が広まるかも知れない。今は難しい時代なのだと痛感します。「伽藍」の閉店が改めて悔やまれます。
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by mmcmp | 2012-01-16 01:04 | 追憶の店・風景 | Comments(0)
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