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「夜の寝覚め」

「夜の寝覚め」_f0119179_22495186.jpg小池真理子の「夜の寝覚め」を読みました。小池真理子は初めて読んだ「無伴奏」と次に読んだ「恋」がすごく好きだったんですが、その後は今ひとつ好きになれなくて、昨年読んだ「蜜月」もうーん・・・という感じ。なので暫く読んでなかったけれど、これは表紙にひかれて読んでみました。
6人の女性を主人公にした短編集。40代になって若い頃の恋愛を振り返る女性、長年続けてきた関係が終わろうとしている女性、再婚を決めた女性もいるけれど、どの主人公も歩んできた先にあるものが見え始めていて、このまま終わってしまうのか・・という不安感から浮気に走ったりするワケで、それは男性も同じかも知れません。ただ、女性の方が思い出好きなのかも。話の筋は見えているけれど、「雪の残り香」というかつて愛した男性への手紙の形式で綴られる作品が一番印象的でした。雪深い温泉町での7歳年下の男性との思い出。積もったばかりの新雪に長く残される二人の足跡を眺めるのが好きだった響子。小池真理子の情景描写はどれも素敵だけれど、この作品は特にドラマチック。響子の語りなので、文体が常体になったり敬体になったりするんですが、それが逆にリアルだったりします。同じく雪の夜に展開する「時の轍」は、お人好しの夫に同情してしまって、好きになれませんでした。
by mmcmp | 2013-11-09 23:28 | カフェ読書 | Trackback | Comments(3)
Commented by 葉っぱ at 2013-11-10 00:13 x
友人が、小池真理子の作品は(多分、「無伴奏」「恋」以降)「シルエット・ロマンス」の世界だ、なんて言ってました。私も、モモ母さんと同じで「無伴奏」「恋」以降はイマイチ…。っていう感じです。どちらかというと、恋愛小説は苦手ですし、何か同じというか…。「無伴奏」「恋」の空気が好きな私は、柴田よしき「少女達のいた街」が面白かったです。
Commented by 葉っぱ at 2013-11-10 00:23 x
「少女達の…」ではなく「少女達が…」です、申し訳ございません。
Commented by mmcmp at 2013-11-10 12:29
「無伴奏」と「恋」は良いですよね~☆
やはりこの2作のファンには以降の作品は、なんか違う・・と思う人が多いかも知れませんね。
実はちょっと前に読んだので、もう記事にするのをやめておこうかとも思ったんですが、オススメ本を教えていただいたので、記事にして良かったです。「少女達がいた街」、面白そうですね。機会があれば読んでみたいです。
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