人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「アルカディア」

「アルカディア」_f0119179_22482576.jpg大阪・森ノ宮ピロティホールで8日まで上演されている「アルカディア」を観ました。トム・ストッパードの話題作を栗山民也が演出、堤真一、寺島しのぶらが出演とあって東京公演はチケット入手出来ず、何とか大阪公演を予約。「深呼吸する惑星」以来のピロティホールでの観劇となりました。
トム・ストッパードは学生時代に観たテアトルエコー公演「一発逆転」が無茶苦茶面白かったので同じ様なスラップスティックを期待してたら、何だか哲学的な話。詩人のバイロンやらファルマーの最終定理やら知的な話題がたくさんが出て来ます。そういえば「あのファルマーの最終定理がついに証明されたよ!!」と当時ラジオマスターのKさんが衝撃的な出来事として教えてくれて、え? ファルマー? 何それ? と理数オンチのモモ母はその時初めてその存在を知ったのでした。その世界的大ニュースの2ケ月前に「アルカディア」が初演されたのだそうです。19世紀英国貴族の屋敷で13歳のトマシナが家庭教師セプティマスに「肉欲的ってどういう意味?」と聞く場面から始まり、200年後の同じ部屋ではバイロン研究者たちの話が展開する二重構造。ライスブディングにジャムを入れて掻き回すと赤い尾を引くけれど、逆にかき混ぜても元に戻らず、どんどんピンクになっていくと言うトマシナ。白と赤の鮮やかな絵が頭に浮かんで、面白い例えをするなと思ったら、実はこれが重要な意味を持っていたんですね。やがて2つの時代がつながって登場人物が入り乱れるんですが、ワルツを踊る場面には美しさと共に緊張感がありました。人は互いに影響し合い、その連鎖はもう元には戻らない。混沌とする2016年の日本でこの芝居が演じられるのも、必然なのかも。
http://www.siscompany.com/arcadia/gai.htm
by mmcmp | 2016-05-06 23:46 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)
<< むぎちゃん、ごめんね 春の大原へ >>