このところ「細雪」を持参してカフェを訪れています。近所のショッピングセンターだったり、街なかの店だったり、どこでも楽しく読んでいますが、とりわけしっくり来るのが大徳寺近くの「
レモン館」。大正時代には農協の銀行として使われていたという町家を改装したカフェで、小説で描かれているような大店の商家ではないけれど、ほの暗い感じや年代物の建具に囲まれて読んでいると、作品世界の空気を感じられるような気がします。今週訪れた時は奥の庭の緑がとても鮮やかでした。読んでいると、柱時計の音が店内に響いて、あっという間に30分経ったことに気づきます。
注文するのはたいてい珈琲(430円)だけど、先日は紅茶(430円)にしてみました。レモンかミルクかと聞かれたので、ミルクにしたものの、「あ、ミルクは牛乳ですか?」と尋ねてしまいました。牛乳ですとのことで、ミルクティに。ミルクと言いながら、フレッシュを出す店があるので、つい確認したくなるんですよね。ポットを置いてくださったので、おかわりをしながら、ゆっくり午後の読書タイム。簾越しに店の外を通る子供の声などが聞こえてきて、おばあち
ゃんちもこんな感じだったなぁ。マンションでもドアを閉める音や住人の声が聞こえるけど、あれとは違う。明るく機密性の高い住宅やマンションで育った平成生まれは「細雪」をどう読んでるんだろうか、彼らが頭の中で描いてる世界を覗いてみたい気もします。
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レモン館大徳寺店
北区紫野上門前町
075-495-2396
11時~18時
月休
http://www2u.biglobe.ne.jp/~lemonkan/