かつて新宿と池袋、御茶ノ水に「談話室滝沢」という喫茶店がありました。この滝沢が全店一斉に閉店したのは2年前の3月末。昭和41年開店の老舗喫茶店の閉店は、一部ではかなり話題になりました。筑紫哲也が「ニュース23」の多事争論でも取り上げていたのを憶えています。何しろこのお店、満足いく接客を徹底するために社員を寮に住まわせて教育したといいます。客がスタバやドトールなどの低価格な店を好むようになったこと、良い人材が集りにくく滝沢の考えるサービスの提供が難しくなったことなどから、ファンに惜しまれつつ閉店したのでした。
新宿店は2階には行ったことあるけど、地下は記憶がなかったので、閉店直前の2005年3月23日に行ってみました。入ると店の中に川が流れ、独特の雰囲気。しかもメニューがどれも1000円以上してお高い! おしぽりやコースターも時代を感じさせました。これは今の時代には厳しい
なという印象です。かつて父に連れられて何度か入ったけど、なるほど友人とは来なかったはずです。でも、年配の人には浮ついたところがない安心感があったのだろうとも感じました。大人のための空間とサービスを提供する店が、姿を消していくのは寂しい限りです。