カテゴリ:観劇・鑑賞( 153 )

「決定的瞬間-アンリ・カルティエ=ブレッソン展」

f0119179_2347266.jpg元「劇団東京ヴォードヴィルショー」の能見達也が亡くなって驚いたのに続いて、子供の頃好きだったロジャー・ムーアが亡くなったと聞いて残念です。007シリーズを母と一緒によく観に行きましたが、テレビで深夜にやってた「ダンディ2・華麗な冒険」がすごい面白かったんですよね。トニー・カーティスを吹き替えた広川太一郎のアドリブが絶品でした。ロジャー・ムーアの声は佐々木功。DVDになってる様で、観てみたいです。
さて、何必館で6月18日まで行われている「決定的瞬間-アンリ・カルティエ=ブレッソン展」に行きました。前回と同じ作品が多かったけれど、4年ぶりに観ると新鮮です。彼の作品を見るたびに思うのは、誰かが作った造形物で構成された街は幾何学的な美しさに溢れている。人間もその大事な一部。サリーを干すインドの女性たちやギリシャ、シフノス島の白壁と階段の中を駆ける少女など、あらゆるものが刻々と形を変える中でのほんの一瞬、まさに決定的瞬間を切り取った写真を目にする喜びを感じます。梶川館長の解説によると、ブレッソンは「刻々と変化する現在は私にとって常に最大の関心事で、全てはそこにある。後は自ら行動し、その本質を認識できるかどうかである」と語っていたとか。本物は何度見ても良いですね。ただ静寂に包まれた展示室の壁の向こうから大きな話し声が聞こえてきたのが残念でした。何度も訪れてるけど、こういう興ざめする体験は初めて。スタッフは来場者の大事な時間に配慮してほしいものです。
http://www.kahitsukan.or.jp/frame.html
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by mmcmp | 2017-05-25 01:46 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「デビュー50周年記念展 池田理代子」

f0119179_22474643.jpg籠池さんの長男のツイッターへのリツイートに保護者と思われる方の興味深い書き込みが。維新は小学校を作らせようと動いていたのに、突然手のひらを返して森友を潰しにかかっている模様。長男の言い分が正しければ系列保育園の保育士不足は大阪市の介入で保育士が辞めたからだとか。報道ではなかなかその辺りの経緯が伝わって来ないですね。
さて、芳年だけでなく、やっぱり池田理代子展も観たいと思い、最終日に京都高島屋に行って来ました。モモ母世代の女子にとってベルばらは大きな影響力がありました。フランス革命に興味を持ったのもこの漫画だし、初めての海外旅行でベルサイユ宮殿を訪れた時の感動は忘れられません。ちなみに次は「ウルトラセブン展」をやるそうで、モモ母世代の男子ってセブンが好きですよね。で、会場はかつての少女たちで賑わっていたんですが、白髪の女性も結構おられました。いくつになっても心は乙女。モモ母は子供の頃、漫画を描いてまして、りぼんの漫画スクールにも何度か投稿したことがあったので、原画を見るとワクワクします。先日、テレビでながやす巧の仕事風景を取材していて、スクリーントーンを削って複雑な表現をされてて驚いたんですが、半世紀前の池田理代子の原画は線の入れ方もスクリーントーンの使い方もシンブル。自分も髪型や髪に縦線を入れる手法などを真似て描いてたなぁと懐かしい。でも、ストーリーは原爆症が出てきたり、かなり社会派な作品を描いてたんですね。民衆の側に立ったオスカルにも「心は自由なのだ。自由なのはこころのみにあらず!! 人間はその指先1本、髪の毛1本にいたるまで、すべて平等であり自由であるべきだ」と言わせている。当時は当たり前のこととして読んでいたけど、共謀罪が成立しようとしている今、見ると、妙な気分。共謀罪で日本はフランス人権宣言から離れていくとの指摘もあり、大人になって、しかも絶妙のタイミングでこの場面に再会した不思議を感じずにはいられませんでした。行って良かったです。
https://www.takashimaya.co.jp/base/corp/topics/170215d.pdf
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by mmcmp | 2017-04-24 02:59 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「芳年―激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」

f0119179_22495167.jpg国会で森友の質問することになっていた西田議員に安倍さんが電話で注文をつけていたとの報道。「総理が直接電話してくるのは異常やねん」と西田さん。19日は法務大臣がまともに答弁出来ないから参考人の出席を多数決で決めちゃうし、今国会は異常なことが多すぎ。
さて、美術館「えき」で23日まで開催中の「芳年―激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」に行きました。「池田理代子展」や招待券をもらった「漢字三千年展」も気になったんですが、観ておかないと後悔すると思ったのが芳年。短い時間だったけど、行って良かったです。歌川国芳に入門し、歴史画、物語絵や美人画などを描き、「最後の浮世絵師」と呼ばれた月岡芳年。「血みどろ絵」と言われる残虐な表現もある一方、なんでそんな顔してんの?と思わず笑ってしまうユーモラスな表情やどんな関節やねんと突っ込みたくなる様なアクロバティックなポーズもあって、大胆な構図躍動感ある描写が滅茶苦茶楽しい。とにかく江戸から明治にかけて生きた人とは思えないアバンギャルドさです。猫に娘が思いっきり顔を寄せてる作品の題は「うるささう」。勿論、うるさく思ってるのは猫の方ですよね。「大物海上月 弁慶」などの迫力のある描写を見ると、今にも荒々しい波が動き出しそうだし、「月百姿」の有子さんはいかにもヒロインっぽくて、日本でアニメが発達したのも当然だなと思ったのでした。
http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1705.html
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by mmcmp | 2017-04-19 23:49 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「琳派展19鈴木其一 江戸琳派の旗手」

f0119179_22134415.jpg先日チケットショップの前を通ったら、「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展のチケットが売られていて、へぇ~28日からそんなのやるのねと思って細見美術館のサイトを見たら、19日まで鈴木其一展をやってるではないですか。知らんかった・・・。最終日前日の土曜に慌てて出かけました。
其一といえば朝顔図屏風ですが、この展覧会には出品されていません。あると思って訪れる人が多いのか、入口にも注意書きされてました。其一だけでなく鈴木抱一の最初の弟子で26歳で急死したという鈴木鈴木蠣潭(れいたん)の作品も観られたのは貴重。朝顔図屏風の華美な印象が強い其一ですが、四季の植物を水墨で描いた雑面巻や「有掛絵ふ字尽くし図」など渋いものも。有掛と言われる時期に「ふ」のつくものを七種類贈る習慣があったそうで、地味な絵だけど富士山や舟、舟人など7つのモチーフが描かれてるのが面白い。初日を囲む様に円を描いて手を繋ぐ五匹の猿がとっても可愛い「日出五猿図」は、五猿で「ご縁」の意味だそう。「達磨図凧」は写実的でインパクトのある達磨像で、達磨にこんなに人間らしさを感じたのは初めてかも。江戸時代の凧が残ってるのは貴重とのこと。芸術を探求する哲学的な画家もいるけど、其一は高い描写力と独特のセンスを持ったグラフィックデザイナーみたい。年表を見るとコレラで亡くなってるんですね。江戸後期にいた絵師の息遣いを感じる魅力的な作品展でした。行けて良かったです。(解説は巡回したサントリー美術館のものもご参考下さい)
http://www.emuseum.or.jp/index.html
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by mmcmp | 2017-02-18 23:18 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

京都労演「田茂神家の一族」

f0119179_0422295.jpg京都労演2月例会東京ヴォードヴィルショー公演「田茂神家の一族」を観ました。劇団創立40周年記念興行第五弾として2015年新宿で上演された時のポスターから客演の伊東四朗が石倉三郎に替わっただけと思ってたけど、人数も8人から6人になってました。初演は佐藤B作の故郷・福島。芝居の舞台は東北の杁(えぶり)村公民館。「えぶり」はevery、バカバカしくデフォルメされてはいるけれど、これはどこにでもありうる話ということ。歌で情勢を伝えるコロスが4人から6人に増え、導入も町長選挙の合同演説会の準備から始まる等、マイナーチェンジしていて、二度目の観劇ならではの面白さがありました。
三谷幸喜が劇団の為に書き下ろしただけあって、次男の健二が佐渡稔、三男の三太がB作、町長の弟常吉が石井愃一と登場人物がいかにも役者にアテ書きされたキャラ。その中で前町長の嘉右衛門は演者によってガラリと雰囲気が変わっていました。更に選挙コンサルタントの井口は前回山口良一が演じてたのを忘れていたほど、まいど豊がハマってました。会報によると三谷が第一稿をB作に見せると「人間が描けてない」と厳しいダメだしをされ、B作の顔を思い浮かべて書き直したら「とても良くなった」と褒められたそう。一見良さそうに見える候補が話す、何かよくわからないけど耳障りの良い政策に要注意。初演時に今の世相にぴったりだと思ってから2年経った今も、やっぱり同じことを思う。そういえば「その場しのぎの男たち」も92年の初演から何度も上演されたけど、その度に今の世相を表してる様だと言われるとか。三谷&ヴォードヴィルの社会性のあるコメディには普遍的な魅力があるということでしょうか。奈良、兵庫、大阪、和歌山、滋賀とまわった後は、石川や新潟でも上演される様です。
http://www.vaudeville-show.com/
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by mmcmp | 2017-02-12 01:40 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「東京原発」鑑賞から連日・・・

f0119179_1771159.jpg先週土曜、のぱら映画会で「東京原発」を観ました。原発が安全なら東京都庁に作れば?という反対派が考えそうなことを2002年に映画に、しかも深刻なドキュメンタリー調でなく役所広司や岸部一徳らによるエンタメ作品に仕上げてるのがスゴイ。こんな映画知らなかったと思ったら、製作から公開まで2年かかり、殆ど宣伝されなかったみたい。設定や説明台詞はかなりリアルで、プルトニウムを運ぶトラックが爆弾マニアにジャックさせるのも全くの絵空事でなく、事故前は普通に輸送車が道路を走ってたんですよね。でも、それは今だから分かることで、当時観ても十分理解できなかったし、ゾッとするエンディングも気づかずスルーしてたと思う。(興味のある方はこちらを)
翌日曜深夜、「お笑い芸人マコVS原発事故」を視聴。これを日テレが放送したことが驚き。2人がドイツに招かれた時、連邦放射線防護庁の人から「年20ミリシーベルトはドイツでは原発作業員の線量限度。帰還基準にするのは小学校に原発を作るのと同じ。本当に日本の国民はそれを受け入れたのか」と言われたとか。日本人は受け入れたんだよなぁ~と思っていたら、月曜小太郎くんのママから借りた冊子に避難者の声が掲載されてました。「帰れる場所に帰れるなら問題ないけれど、帰れない場所に帰すっていう線で国と村はやってるわけだべ」高齢の村民は孫が帰れない様な場所に帰っても山の恵みを口に出来ず、村の行事や日々の暮らしもたちゆかないことを、みんな知ってるけど、自分たちはあと5年か8年。「何十年か何百年後かにひ孫が帰った時に足跡を残しておくことが私らの仕事。まぁ、人生の挑戦だ」。もう安全だと思ってる人たちの声を紹介する報道が多かったから、こうした未来を見据えた覚悟を初めて知りました。そして火曜はこの記事で、1月に反原発活動に参加した埼玉県加須市の職員らが逮捕されたことを知りました。容疑は、一昨年9月に避難指示が解除された楢葉町の視察に訪れた際、レンタカー代を割り勘にしたことが道路運送法違反にあたるというもの。何それ? 「国の政策を傍観しているのは賛成しているのと同じ」という「東京原発」の台詞を思い返しています。
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by mmcmp | 2017-02-08 17:34 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「松井須磨子」

f0119179_23344288.jpg12月18日と19日に呉竹文化センターで上演の京都労演12月例会エイコーン公演「松井須磨子」を観ました。日本初の新劇女優と言われる松井須磨子の人生を、「人形の家」等の彼女の代表作の一場面を織り交ぜながら語る、栗原小巻の一人芝居。東京ヴォードヴィルショーを京都で観たくて労演に入会しているモモ母。他の例会は自分では行こうと思わない劇団だったり作品だったりするんですが、これはその最たるもの。栗原小巻とか山本陽子、十朱幸代といった一昔前の美人女優って、所詮顔だけみたいなイメージ。でもまぁ小巻さんは俳優座出身だし、一度観ておきますか・・といった感じで足を運んだモモ母でした。
舞台下手に置かれたピアノの生演奏と共に与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」で始まった舞台。思ってたより低い声で、第一印象はかなり年齢を感じたんですが、若い役を演じる時は高めの声に。そして「ゴンドラの唄」や「カチューシャの唄」を歌う声の清らかなこと。クローゼットの後できらびやかなドレスに着替えたり、着物をまとったり、須磨子の女優人生と小巻さんのそれがオーバーラップする様です。踊る場面や手をあげた時の指の形が実に美しく、キャリアを積んだ女優さんのスキルがいかに卓越しているかをまざまざと見せて頂いた感じです。島村抱月と運命的な出会いをし、芸術活動に身を捧げて来た須磨子は抱月の病死に絶望し、自ら命を絶つのですが、「命みじかし恋せよ乙女・・・」だったり、「カチューシャかわいや、別れのつらさ」といった歌詞って、こんなに切なかったのか・・と改めて知りました。そして北原白秋の「さすらいの唄」も。1時間半の一人芝居を終えたカーテンコールでの笑顔が本当にチャーミングで、「綺麗やなぁ、一体いくつえ?」「まさしく芸術を見せてもらったなぁ」といった声が客席のあちこちから聞こえてました。小巻さん71歳。こういうのを生で観られるから、演劇って良いんですよね。
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by mmcmp | 2016-12-19 00:28 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「るつぼ」

f0119179_21594395.jpg森ノ宮ピロティホールで6日まで上演されたシアターコクーン・オンレパートリー2016「るつぼ」大阪公演を観ました。「るつぼ」は京都芸術センターで観た三浦基演出による地点公演の印象が非常に悪かったので少々不安だったのですが、堤真一が出るのと、黒木華の舞台を一度観たいと思っていたので、チケットを取りました。演出はイギリス人のジョナサン・マンビィで、火を使ったインパクトのある幕開けから、人々が狂気のるつぼに巻き込まれていく過程がドラマチックに描かれていました。今回の方が断然良かった。役者陣も堤真一の役に真摯に向き合う姿勢が伝わって来たし、松雪泰子も「吉原御免状」(すいません、こんな堤&古田の動画があったので、一緒に貼り付けさせて下さい)以来、舞台の彼女が大好きで、地味な農夫の妻役なのに、ミレーの「晩鐘」を連想させる様な高貴さがありました。そして黒木華は期待通り、良いですね~。声もよく通るし、今後が楽しみな女優さんです。
「るつぼ」は17世紀アメリカで実際に起こった魔女裁判事件を題材に、集団心理の恐ろしさを描いた作品。ボストン滞在中に舞台になったセーラムに行ったことがあって、今では魔女グッズがお土産になったり観光地化されてるけど、魔女博物館の古い建物と展示はかなり不気味でした。その雰囲気を思い出して、アビゲイルと少女たちの言葉で村人が次々と裁判にかけられ、絞首刑になっていく異常事態が、とてもリアルに感じられました。集団の中で個人が抑圧され、正しくあろうとする者がどんどん追い込まれていくのは、魔女裁判という過去の特殊な出来事だけのことではない。作者のアーサーミラーは執筆当時のアメリカの反共産主義運動〈赤狩り〉に対する批判としてこの作品を書いたそうですが、いつの時代も起こりうる普遍的なテーマ。特に昨今は、その危うさの中にいると痛感します。その時、自分はうそをついて生き延びるべきか、「善きもの」を貫いて処刑されるのか、考えるとゾッとします。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/16_rutsubo/
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by mmcmp | 2016-11-06 22:56 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「WILL」

f0119179_102338.jpg東京・築地の築地本願寺ブディストホールで2日まで上演中の劇団大富豪第9回公演「WILL」を観ました。大富豪って全然知らなかった劇団ですが、7月にこんなツイッターを発見。続いてこんなツイッターも。どうやら宮原弘和さん主宰の声優さん達の劇団に田中亮一さんが客演される模様。これは行かねば!と出かけました。劇団芸協以来20年以上ぶりに亮一さんの舞台が観られて感激でした。
若くして的屋の組長になった寅吉が生前葬をやると言い出し、親族関係者が集まって来る。その席が婚約者の紹介を兼ねていたり、弟の大河も大事な人を一緒に連れて来たり。いろんな事情を抱えているけど、いろんな「家族」があって良いよね、と思えるハートフルコメディでした。緒方賢一さんや山口勝平さんといった客演陣を含めた出演者が20代から70代まで幅広く、それこそ家族の様に一緒になって作品を作り上げてる感じが伝わってきて、素敵な座組だなと温かい気持ちになりました。若手のツイッターを拝見してると、豪華なメンバーと共に舞台に立てる喜びや良いものにしようという一生懸命さが綴られ、今まで全く知らなかった劇団なのに、当日には殆どの役者さんを昔から観続けてる気になってました。宮原さんちの茶瑠ちゃんもすっかり身近な存在に。子役の大出美結ちゃんは逸材ですね、「あほんだらすけ」の愛情物語にも出て欲しいくらい。同じ座組での新作があれば、又、観てみたいです。ちなみに亮一さんと言えば、こんなニュースも。いよいよ今夜から放送だけど、関西は9日からなんですよね・・・劇団大富豪といいタイガーマスクWといい、気軽に見られる関東の人が羨ましいです。公演は明日まで。当日券もある様なので、関東の方は是非!
http://www.geocities.jp/gekidan_daifugo/
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by mmcmp | 2016-10-01 11:25 | 観劇・鑑賞 | Trackback | Comments(0)

「横濱短篇ホテル」

f0119179_2343971.jpg京都労演9月例会として21日と22日に呉竹文化センターで上演の青年座公演「横濱短篇ホテル」を観ました。マキノノゾミが青年座に書き下ろした横浜の老舗ホテル(ホテルニューグランドがモデルだとか)を舞台にした7つの短編からなる作品。第一話「ヤクザに追われて」の1970年から5年ごとに7つの物語が展開。三島由紀夫の割腹自殺やポケベルでの呼び出し、バブル景気等の世相を織り交ぜながら、各話が独立しつつ、第一幕で女子高生だった奥山ハルコと同級生柳井フミヨの30年以上に渡る人生の変遷でもあるという構成。伝統あるホテルの持つ雰囲気を活かした洒落た大人の寓話で、楽しめました。
マキノノゾミもすっかり大御所ですね。同志社を卒業後に劇団M.O.P.を旗揚げしたマキノノゾミですが、学生時代に野田秀樹やつかこうへいなどを観ていたモモ母は、何か劇画チックでイマイチ文学性に欠けるよね、と若い頃は思っていて、京都では鈴江俊郎をひいきにしていたのでした。岸田戯曲賞を受賞した鈴江作品が演劇の芥川賞なら、マキノ作品は直木賞といったところでしょうか、エピソードにチャップリンの「街の灯」を入れ込んだり、年を重ねて味わいのある作品を書く作家さんになられたんだなと、作家の人生の変遷も感じました。会報によると、演出の宮田慶子とマキノノゾミの出会いは京都だそうで、89年に下鴨の「アートスペース無門館」(現アトリエ劇研)の故遠藤寿美子さんの誘いで京都の若手女優が「トップガールズ」を上演する際にM.O.P.のキムラ緑子と林英世が出るので、マキノ氏が挨拶に来たのだとか。ああ、観なかったけど、トップガールズって、あったなぁ。黒手組の伊藤由香利とかも出てた様な・・・。無門館の遠藤さんにはラジオ番組などで度々お世話になりました。懐かしい。劇中のハルコとフミヨ、劇作家の歳月と共に、自分の歳月も振り返った夜でした。
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by mmcmp | 2016-09-21 23:30 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)