東京・三軒茶屋の「シアタートラム」で7月19日まで上演中の「アット・ホーム・アット・ザ・ズー」を観ました。堤真一と演出の千葉哲也の「小さな劇場で2年に1回くらい2人で何かやりたいね」という話から実現した今回の舞台。「小さな」というところがとっても良いなぁと思います。シアタートラムは2回目だけど、観やすい好きな劇場です。
作品はエドワード・オールビーが1958年に書いた不条理劇「動物園物語」に前編を加えたもので、前編は今回が日本初演だそうです。1幕は堤真一と小泉今日子による夫婦の会話「ホームライフ」、2幕は堤と大森南朋による初対面の男2人の公園のベンチでの会話「動物園物語」。台詞主体の心理劇とあって後半の「動物園物語」でちょっと退屈してしまったモモ母は意外にも1幕の方が面白かった。「私、幸せよ、でも完全な幸せじゃないの」という妻の気持ちは既婚・未婚を問わず共感できるところで、40代になったキョンキョンがうまく表現していたと思うし、2幕目でピーターはいつものように公園で読書をしていたはずだけど、妻との会話の後でいつもとは違う心境だったことがわかる。それに会話があらぬ方向に流れて、言わなくても良いことまで吐露してしまうことってあるし、より完全を求めたために今までのものが壊れることもよくあるなぁと実感。2幕目の出来事の後、ピーターとアンの夫婦はどうするんだろう・・・と本来は重要な存在である孤独なジュリーのことはほとんど考えずに観てしまったモモ母でした・・・。