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「電動車イスひとり旅」

「電動車イスひとり旅」_f0119179_034229.jpg「バッテリーⅥ」に続いて「ラストイニング」も読んだんですが、似た感想なので、小説じゃないけど「電動車イスひとり旅」のレビューを。重症筋無力症の元フリーカメラマン中田輝義さんが、札幌に住む筋ジストロフィーの友人に会う為、電動車イスで広島から北海道まで75日かけて旅をした記録。介助者もなく、携帯電話も持たずに各地でバッテリー充電をしながらの旅。雨の中、無理をして風邪を引き、呼吸困難で意識が朦朧とするも、ドクターストップがかかって旅を断念したくないと自力で治す精神力の強さに感服します。自分だったら気弱になってお医者さんを頼ってしまうと思うんですが、ご本人によれば、発作が起きるのは家で大人しく寝ていても、旅の空でも同じ。それなら一歩でも前に進みたいと思ったんだそうです。
そんな過酷な旅なのに、明るい人柄に加えて自然の美しさや人の生き様に心を寄せる眼差しをお持ちなので、読んでいてとても清清しい気持ちになります。杖をなくして一瞬は落胆するも、僕の身代わりになってくれたんだと杖に「ありがとう」と言える前向きさ。物事を実によく見ておられるのは、元カメラマンだからでしょうか?心無い言動を腹立たしく思うのは当然だし、モモ母だったらずっと嫌な気分のままだと思うのですが、その翌日には、あの人もきっと色々苦労があるんだろうと理解を示す気持ちの変化が印象的です。すぐにはまだ無理だけど、自分もこんな風に考える人になりたいと思うのです。残念なのは、こうした本が人の目になかなか届きにくいこと。扱ってない書店が多いか、あっても目立たない場所にしか置いてないんじゃないでしょうか?モモ母は取り寄せてもらったんですが、この本に出会えて本当に良かったです。ダイジェストを載せてるサイトがありました。実際はこの何十倍も面白い!興味を持った方は是非読んでみてください。
by mmcmp | 2011-07-31 00:51 | カフェ読書 | Trackback | Comments(0)
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