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「ディスカスの飼い方」

「ディスカスの飼い方」_f0119179_041680.jpg大崎善生の「ディスカスの飼い方」を読みました。熱帯魚飼育が趣味の男性は彼の小説に繰り返し登場するので、またか・・と思うけど、これはタイトル通りに熱帯魚ディスカスを飼うために必要な作業が詳細に綴られた不思議な恋愛小説です。恋人より熱帯魚を愛するようになってしまったために、恋人は皆、彼の元を去って行く。彼女の立場からすれば当然ですね。熱帯魚に嫉妬する状況は酷だし、餌にする赤虫の塊が入った冷凍庫で作られた氷を使うのは嫌。でも、男性の気持ちはすごく理解できる。
ディスカス飼育でなくいも良いのだと涼一は言います。何かを理解することで、思ってもいなかった何かを手にすることが出来る。理解できないものにアプローチしようとする根源的な欲求。ディスカスの前にオムライス作りにはまった涼一は、書店に卵料理関係の本がたくさんあることや食料品売り場の卵の品揃えが異常なくらい豊富なこと、調理器具コーナーに本に掲載されているフランス製の調理器具がほとんど揃っていることなど、オムライスに興味を持つまで気づかなかったいろんなことに気づく。そのワクワク感は手に取るようにわかります。「何かを知るということは、それ以前とは違う人間になっているということである」という一行は激しく共感。妙な道具や薬に頼るよりシンプルな方程式を作りたいという考えも頷けます。でも、彼がオムライス作りに没頭するきっかけは、卵料理店でオムライスを食べながら、自分でやればもっと上手に出来るのではないかと、ふと思ったこと。モモ母、そんなこと絶対思いませんね。プロが作る方が断然美味しいと思う。だから道を究められないのか・・・と思い知ったモモ母です。
by mmcmp | 2011-10-18 01:37 | カフェ読書 | Trackback | Comments(2)
Commented by ゆきち at 2011-10-18 23:24 x
モモ母さん、こんばんは。お世話になります。ミシュランガイド2012 発表されましたね。(http://web-cache-sc.stream.ne.jp/www09/michelin/guide/kansai/pdf/111018_2.pdf) 感想はどんな感じでしょう。おいしいのレベルも個々人の価値観や経験値等でいろいろあって… まぁ自分とは違う世界、相当無理しないと手の届かないレベルでのおいしさのランク付けですね。「鮨 よし田」さんって、モモ母さんのご近所なのではありませんか。そう考えると全国 自分の家の近所にミシュラン級のお店が(自分は気づかないだけで)存在していてもおかしくはないのかなと。まぁ、自分の手の届く範囲での何度でも手の届くおいしさこそが真のおいしさ、幸せかもですね。あー、私の場合は、とようけ屋さんの「にがり絹こし豆腐」が食べたくて仕方がありません。近々、京都に行きたいと思っています。このブログで取り上げられているお店のいくつかについても、訪れてみたいと考えています。
Commented by mmcmp at 2011-10-19 01:38
実際のガイド本は見てないのでわかりませんが、お知らせいただいた京都のリストを見る限り、目新しさはあまりなさそうですね(知らない店もたくさんあるので、偉そうなことはいえませんが・・・)。
火曜にコトリカフェに一緒に行った友人と話していた店もたくさん出ててちょっと可笑しかったです。あの手のフードビジネス界の評価と地元の評価には落差があるようで、ミシュランお前もか・・・といったところです。地元評価の低い店を載せると、その本自体の値打ちが下がると思うんですが、観光客向けだから良いんでしょうか???
近々、京都に来られるとか。ゆきちさんの好みに合う店に出会えると良いですね。
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