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「虹の橋」

f0119179_2235658.jpg澤田ふじ子の「虹の橋」を読みました。これまで「うたかたの」や「御宿かわせみ」など女流作家の作品も少しは読んだことあるけど、時代小説といえば藤沢周平の印象が強いので、最初はちょっと勝手が違って進みが遅かったんですが、京都が舞台なので当時の光景を想像しながら読めて、それなりに楽しめました。
江戸時代、建仁寺近くの長屋の住人、特に子供達の成長を通して京都に暮らす庶民の暮らしが綴られています。導入は高瀬舟の船頭・忠七の息子宗吉を軸に描かれていたけど、中盤からは錦小路の魚惣の奉公人となった千代が主に。そしてラストは再び宗吉の心情で締めくくられる構成。「この長屋で育ったみんなが、同じくらいの幸せを得る。自分だけ幸せになってはいけない」という発想は、1987年の発表当時、ごく普通に読者に受け入れられたんでしょうか?自分の幸せを諦めるという決断は、宗吉にとってあまりに理不尽にモモ母には思えるんだけど、でも名もない市井の人々は、こんな風に理不尽なことを何度も受け入れさせられてきたのかも。読み終わって思い出したけど、祖母が昔、「ちょかをせんとき」とよく言ってたっけ。「ちょか」は関西弁で軽率ででしゃばりな行為。目立つ振る舞いは恥ずかしいというのが戦前の京女の美意識で、横並びを尊しとするから、「自分だけ幸せになってはいけない」と考えるんだろうか・・・?そう思うと、平成の京都には良くも悪くも「ちょか」が増えたなぁ・・・。けど、それで多少は自由になったけど、相変わらず庶民は理不尽なことを受け入れないといけないんですよね。
by mmcmp | 2012-09-29 23:36 | カフェ読書 | Trackback | Comments(2)
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Commented by こむぎん at 2012-10-01 19:40 x
そういえば澤田ふじ子さんはまだ読んだ事がなかったです。
時代物に限らずですが、スッと入ってくる作品や作家さんとの出会いってワクワクしますね。
どうしても手に取る作家さんが偏ってしまうので、モモ母さんの『カフェ読書』のテゴリは毎回参考にさせていただいています!!
Commented by mmcmp at 2012-10-01 21:31
実はこむぎんさんがよく読んでおられる宇江佐真理さんのお江戸ものを一度読んでみたいと思ってたんですが、ブックオフで名前が思い出せず、表紙のイラストが藤沢周平のものと似ていた澤田さんを読んでみることにしたのでした。
「虹の橋」は最初はスッと入ってくる感じではなかったのですが、京都の作家さんなので、江戸が舞台の作品とはまた違う世界でした。
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