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「長門守の陰謀」

f0119179_22272057.jpg藤沢周平の「長門守の陰謀」を読みました。5作品からなる短編集。「夢ぞ見し」は口の重い夫に歯がゆい思いをしている昌江は、居候している若者溝江に好感を持ったりもする。夫の意外な一面と溝江の素性。冒頭にふさわしい清々しい作品ですが、現実には鈍そうな夫はやっぱり仕事も期待できなかっりするもので、夢を見るのは読者なのかも。
「春の雪」は2人の幼馴染と同じ店に奉公するみさの物語。幼馴染の1人は絵に描いた様な好青年の作次郎、もう1人は愚図で「のろ」とあだ名される茂太。作次郎といずれ結ばれる様な気がしているみさだけど、きっと何かあるよねという、ある意味では予想通りの展開。「夕べの光」の主人公は亡き亭主の連れ子と暮らすおりん。「遠い少女」は真面目に生きて店もそこそこ大きくした鶴蔵が、別の生き方に惹かれ、幼い頃からの知り合いだったおこんを身請けしようとするが・・・と武士の妻、商人、町娘と様々な人物設定の話が楽しめるのが魅力です。最後の表題作は文字通り長門守の陰謀の顛末を描いた作品ですが、解説に「暗殺の年輪」に収録された「ただ一撃」と同じ登場人物が出て来るので、先に「ただ一撃」を読んでから読むと良いと書かれていて、既に読んでるのにすっかり忘れているので、読み返してみました。確かに同じ人物も出て来るけど、描かれる世界は全く違って、それがまた面白い。でも、好きだった作品なのにまるで憶えてなくて、大した数を読んでる訳でもないのに、やれやれ・・という感じ。モモ母より何倍、何十倍も多読している本好きの人って、どれくらい読んだ内容を憶えてるもんなんでしょうか?
by mmcmp | 2014-05-03 23:07 | カフェ読書 | Comments(0)
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