北白川疎水沿いを歩いていて、ふと銀月アパートをのぞいたら、何やら「coffee」の文字。「奥の階段を上がって左へ」という案内に従って入ってみました。銀月アパートは戦前に建てられた洋館。帰宅後ネットを見たら、かつてアパートの住人には大島渚や竹久夢二もいたそうな。お目当ての店は、狭い部屋にマドレーヌやケーキの焼型、カップ等が所狭しと飾られ、レースなんかもあしらわれて、異国に迷い込んだ様な不思議な空間でした。
お願いした焼き菓子はココナッツのマドレーヌ(250円)。中には前の遊歩道で採れたと言う甘夏のマーマレードが入っていました。遊歩道にはレモンの木もあるんだとか。焼き上がりが微妙に違うからと、トレイに並んだ中から好きなものを選ばせてもらいました。薄い焼き菓子も添えられ、こちらはゴマが香ばしくて良い感じ。珈琲(500円)と共に頂きました。文庫本を開くと、窓からの光が所々前の木々に遮られて、葉の影を白い頁に落とし、何ともロマンチック。年代物の建物と、使い込まれた菓子器具、それを大切にしている人の想いが醸し出す空気は、何だか映画の中にいるみたい。銀月アパートは「鴨川ホルモー」などの撮影に使われたそうですが(お店の方によると、すぐ近くの駒井亭では「マッサン」のロケがあったとか)、営業日以外に行くと何にもなくて、あれは幻だったの?なんて思いそう。エアコンがないので暑い時期は休業され、再開されたばかりで、偶然通りがかってラッキーでした。マニアックで決して万人受けする店とは思いませんが、あのお菓子がまた食べたいと訪れるリピーターさんも多い様です。お客さんが来す
ぎるからとショップカードがなく詳細不明だけど、金曜土曜のみの営業。お店の名前「チネッテ」は「アルプスの少女ハイジ」に出て来るメイドさんからとか。
★tinette
北白川伊織町
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