「鏡花短編集」

f0119179_1471784.jpg「鏡花短編集」を読みました。父の蔵書の1冊で硫酸紙のブックカバーがかかっています。もしかして、北大路駅を「烏丸車庫」と言ってた時代に北大路通りにあった文房具店「三星堂」で買った硫酸紙かも。9つの作品が収められていて泉鏡花の妖しく美しい世界を堪能しました。
最初は有名な「竜潭譚」。見渡す限り紅の躑躅(ツツジ)の花という極彩色な導入から鎮守の社を経て、少年が迷い込んだ夢ともうつつとも知れない世界。いわゆる「神隠し」を語ったもので、続く「薬草取」と共に幻想的な描写に魅了されます。他の作品にも躑躅が頻繁に出てくるなど植物に関する記述が多く、毒虫にやられて倒れたり、河童が出てきたりと動植物との接点が多かった頃ゆえに、今とは比べ物にならないほど魔物の遭遇話が身近だったのだと思ってみたり。面白かったのが「二、三羽---十二、三羽」。最初は自宅にやってくる雀を綴ったやや退屈な随筆かと思っていたら、後半かなりスリリングな展開に。暴風雨の後、訪れたはずの家が消えていた、という「雀のお宿」のような話。「暴風雨」には「あらし」とルビがふられていました。ちなみに「莞爾」と書いて「にっこり」と読むのを初めて知りました。余談ですが、泉鏡花といえば「神楽坂怪奇譚『棲』」、大好きな池田昌子さんの朗読が生で聴けるなんてすっごい貴重、日帰りで観に行こうかと思っていたのに、池田さん出演日は速攻で売り切れてました。しかし予告動画、観ただけで怪しそうです。
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by mmcmp | 2018-02-21 02:46 | カフェ読書 | Comments(0)
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