「風雪の檻~獄医立花登手控え(二)」

f0119179_22275315.jpgかなり前ですが、藤沢周平の「風雪の檻」を読ました。「春秋の檻」に続く獄医立花登手控えの第二弾短編集です。登は起倒流の柔術の使い手という設定。牢獄の罪人達の怪我や病を治療する獄医としての仕事には前巻より随分慣れた様子だけど、第一話「老賊」の冒頭から柔道仲間の新谷弥助がこのところ道場に姿を見せていないことが語られ、不穏な幕開け。続く「幻の女」は一度は賭場から足を洗った巳之吉が、昔のつきあいから男二人を殺傷、彼が島送りになる前におこまという女性を探そうとした登だけど、その消息は喜ばしいものでなく、巳之吉に知らせることが良いのか、事実を知らないままの方が幸せなのか。こういう設定がいかにも藤沢周平らしい。
「押し込み」は義賊を気取って押し込み強盗を企てた源次たちだったけれど、同じ店を本職の盗人が狙っているのがわかる。しかもかなりの悪党たち。登はやめさせようとするのに弥助に加勢を頼む。「処刑の日」は限られた時間の中で真犯人を追う緊迫感がエンタメ性抜群で面白い。今回も読み応え十分でした。今回、居候先の娘おちえと登の関係に微妙な変化があるのが興味深い。「春秋の檻」のおちえは派手に遊ぶ我が儘娘で、「登」と呼び捨てにしていたのに、誘拐されて懲りたのか「風雪の檻」では随分しおらしくなって「登にいさん」と呼びように。そしてラストは登本人も驚くような展開に。微笑ましいエピソードだけど、ウブで真面目な登に元ヤンのおちえは手に負えないと思うけどなぁ。次巻が気になります。
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by mmcmp | 2018-04-08 23:51 | カフェ読書 | Comments(0)
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