「細雪 中巻」

f0119179_23574583.jpg谷崎潤一郎の「細雪」を楽しく読んでいます。上巻は三女・雪子のお見合いを軸に展開したけど、中巻は四女・妙子が前面に出る展開。人形制作から洋裁に興味が移って洋行を希望したり、山村流の舞を披露したり、水害に巻き込まれたり。かつての駆け落ち相手だった啓坊(けいぼん)こと奥畑も冒頭から登場し、水害の時に命懸けで妙子を救った写真師の板倉も重要な役割を果たします。確か板倉って亡くなるんだよねと思っていたら、中巻のラストで絶命。その顛末が前に読んだ時も不気味だったけど、今回もやっぱり怖かった。板倉より家柄の良い奥畑と結婚する方がマシという姉達の発想や東京を訪れた際にローマイヤアで食事したり、歌舞伎を観たりする優雅さはいかにも昭和の旧家。大阪らしい言葉遣いも含めて「かつていた人達」だなと思う。些細な出来事、日常の会話が巧みに挿入されていることで、暮らしぶりがリアルに伝わって来ます。この作品には谷崎特有の倒錯した世界は描かれてないんだけど、幸子の夫の貞之助が帰宅すると雪子が妙子に足の爪を切ってもらっていて、貞之助が襖を開けたら雪子が足の甲をすっと裾の中に入れる場面が印象的。さすが足フェチの谷崎らしいなと思ったのでした。
1983年に市川崑が「細雪」を映画化していて、「ラルゴ」のメロディと幸子を演じた佐久間良子の美しさが印象的だったんですが、奥畑を桂小米朝(現・桂米團治)さんが演じていたんですよね。小米朝さんのラジオ番組の構成をすることなった時、「細雪に出てた人」とお仕事するのが不思議な気がしたのを思い出しました。懐かしいです。映画、また見たくなりました。「平成細雪」は未見。モモ母はアサヒビールのCMの美女3人に平成の細雪をやってほしいです。
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by mmcmp | 2018-05-10 01:16 | カフェ読書 | Comments(0)
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