4日が誕生日だったYさんに「
コム・トゥジュール」の「ナッツの焼きタルト」を買いました。「
コム・トゥジュール」に行って思い出したのが、長く会ってない親戚の叔母さん。以前、この店のケーキを手土産にしたことがあったのですが、「美味しくて美味しくて、ほとんど私一人で食べた」とのこと。叔母いわく店(小さな酒屋をやってます)があるから外出は滅多にしないし、たまにデパートに行っても用事だけ済ませて慌てて帰る。どこが美味しいとか全然知らないし、あんな洒落たケーキは食べたことがなくて夢中で食べたのだそうです。
昔、叔母が近くに住んでいた祖母にYのクリスマスケーキをくれたことがありました。巷には美味しいケーキがいくらでもあるのに、なんでよりによって大手パンメーカーYのケーキなんか選ぶのかとセンスのなさに呆れたことがありました。でも、あれは叔母なりの精一杯の心づくしだったのだと悟りました。食べ歩きを楽しむ若い女性も多いけど、夫は配達、自分は店番で一日の大半、そして人生の大半を過ごし、狭い社会で生きてきた叔母のような人も多いのだろうと思います。けれど今はネットで情報が得られる時代。モモ母のブログにはお高いレストラン情報は滅多に出てこない、いたって地味な記事ばかりですが、叔母のように誠実にささやかに生きて来た人達にこそ、そぱに美味しいものがあることを伝えたいと思っています。高価でなくても、美味しいものは人を幸せにすることを、「
コム・トゥジュール」は証明してくれています。「
ノリズ」も「
hana」も、モモ母の愛するお菓子たちは皆、そんな力があると信じています。