2010年 10月 12日 ( 1 )

「アンの友達」

f0119179_0503225.jpg「赤毛のアン」ってアニメや絵本だけで、小説をちゃんと読んだのは数年前。以来、年に1冊くらいのペースでシリーズを読んでいます。最近読んだのは「アンの友達」。でもアンはほとんど登場せず、周辺の人々を綴った短編集です。ボストンステイ後、アメリカ中西部サウスダコタの田舎町に1ケ月程いたんですが、読みながらそこでの日常を思い出しました。生涯で行った最も都会は州都で、ニューヨークともロスとも無縁な学生がほとんど。人々はみな善良で信心深く、教会が地域コミュニティの要になっている、アメリカやカナダには、モンゴメリが描いたような暮らしが今もさほど変わらずに続いているんだろうと思います。
街の学校を卒業した娘の帰りを待ちわびる老人に、近所の夫人が娘はもはやこんな田舎町には満足するはずがないと意地悪を言うけど、娘は「3年間は楽しかったわ。でも、ここには父さんがいるから」と言って喜んで帰省する「ショウ老人の娘」。うーん、モモ母は美味しいものを知ったらマズイものでは満足できなくなると思うんですよね。ボストンやニューヨークを知るモモ母は、サウスダコタに一生住むのは無理。娘に共感できる若い人ってどれくらいいるでしょう??お金持ちだけどケチな変人だと思われているけれど、本当はとても貧乏で、噂好きな人たちと距離を置いて暮らす「ロイド老織女」。元恋人の娘を支援する為に生活を切り詰め、さらに困窮するもののロイド婦人の心は満たされる。お話は真相が皆の知るところとなって、めでたしめでたし。でも現実はそううまくいかない。本人にとってはささやかな喜びでも、傍から見ると痛々しいことってありますよね。清らかな作品集ではあるけど、大人が読むとちょっと複雑な気持ちにもなりました。
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by mmcmp | 2010-10-12 02:02 | カフェ読書 | Comments(0)