2018年 08月 16日 ( 1 )

「風が強く吹いている」

f0119179_2334288.jpgお盆ですね。ボンジョビで踊る中野の盆踊り動画が拡散されてて、「松戸ではジンギスカンで踊ってた」というリプも。それと、3日連続で「満願」をドラマ化してますね。「万灯」をチラッと見たけど西島秀俊はちょっとイメージ違うなぁ・・・。
さて、三浦しをんの「風が強く吹いている」を読みました。漫画オタクの王子や双子のジョータとジョージ、留学生のムサなど竹青荘に住む10人の大学生が箱根駅伝に挑むお話。漫画みたいな設定で、実際に素人が一年でそんなに簡単に成長するとは正直思えない。でもリアルに描こうとしてるのにからくりが嘘っぽいと思った「満願」よりずっと違和感ないし、文章に勢いがあるから650頁ほどの長編をどんどん読み進めたくなります。タイミングを逃してレビューを書かなかったけど、昨年読んだ佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」もすごくハマって、「一瞬の・・」はリレー、「風が・・」は駅伝、何人もの選手が練習を重ね、仲間とバトンや襷をつないでゴールを目指す姿は読んでて楽しい。でも「一瞬の」で描かれたのは高校生の部活で、彼らはトップアスリートになれる訳ではないし、彼らが走る意味は何だろうと考えさせられたけど、この作品にはその答えが描かれていました。彼らが長距離を走るのは「速く」でなく「強く」なりたいから。勝利至上主義的な昨今の風潮へのアンチテーゼでもあるのかな。物語は陸上経験のあるハイジと走を主に展開し、後の8人はどちらかというとモブキャラっぽいんですが、各自が走る区間でそれぞれの思いやこれまでの生き方などがきちんと描かれていて、このあたり三浦しをんは本当に上手い。執筆するに当たって時速20キロで走る車の窓から顔を出して、選手たちが受ける風を体感したというエピソードも好き。来年の箱根駅伝を見る目が変わりそうです。10月からアニメをやるようで、コンテンツ不足なのね、と思いつつ見てしまうかも。「舟を編む」と双璧をなす名作に出会えて嬉しかったです。
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by mmcmp | 2018-08-16 01:44 | カフェ読書 | Comments(0)