カテゴリ:観劇・鑑賞( 172 )

「世紀末ウィーンのグラフィック」

f0119179_23421214.jpg風強18話「そして朝」、エンディングの絵も少し替わっていよいよ箱根本番。クリスマス、大晦日から元日、ニラの遠吠えまでのダイジェストは愛おしくて何度も見返してしまいます。今年はお正月に箱根駅伝見といて良かった。リアルな再現に胸が踊ります。
さて、24日まで岡崎の国立京都近代美術館で行われた「世紀末ウィーンのグラフィック~デザインそして生活の刷新にむけて」を観ました。最終日の24日は天皇陛下御在位30年を記念して入場無料。写真撮影もOKというお得な企画でした。近美が2015年に収蔵した世紀末ウィーンのグラフィック作品コレクション。世紀末のウイーンでは新しい芸術が模索され、特に印刷技術の発達や雑誌メディアの隆盛を背景にして重要な役割を担ったのがグラフィックの分野。蔵書票や図案集など、新たな芸術を生み出そうとするパワーを感じさせる作品群はとても魅力的でした。やはり本には電子書籍にないアート性がありますね。ウイーンのグラフィックをこれまであまf0119179_030143.jpgり意識したことがなかったけれど、父が所蔵していた洋書の装丁や子供時代の絵本の挿絵を思い出させます。小林かいちなど日本の作家も影響を受けてそう。4月からは目黒区美術館に巡回するそうです。
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2018/429.html
by mmcmp | 2019-02-24 23:57 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「BACK IN TIME 蓄音機展」

f0119179_23422214.jpg「豊中市立市民ギャラリー」で17日まで開催されている「BACK IN TIME 蓄音機展~時代を超えて生きる音楽~蓄音機が蘇らせる100年前の音」に行きました。貴重な蓄音機が多数展示されるだけでなく、実際にSPレコードを鳴らして蓄音機時代の音色や歌声を聴く演奏会も行われています。12日14時からは音楽評論家で数多くのSPレコードを所有する川村輝夫さんが、自らのコレクションの中から選曲したビング・クロスビーのレコードを解説付きで聴くことが出来ました。
ジュディ・ガーランドや息子とデュエットしたもの、ミルスブラザーズとの共演、「ダイナ」や「ビューティフルドリーマー」「枯葉」「ブルーハワイ」などシャンソン、ハワイアンまで幅広い選曲。甘い声に深く温かみがあって、「ハッピーバースデー」はまるで彼が間近にいて祝福しているようだし、耳馴染みのあるアンドリューシスターズとの「ジングルベル」も蓄音機で聴く方が断然素敵。音だけなのにモノクロ映画を見ているようで、演奏が終わる度に拍手したくなるほど。音の美しさは蓄音機の性能にもよるようで使用されたビクトローラ・クレデンザは蓄音機の黄金時代を気づいた完成度の高いものだそう。アンプも音量調節ボタンもないのに、やわらかく見事な音を奏でます。美しい彫刻がされ、レコードの収納スペースもあって調度品としても素敵です。天板にレコードが回転する様子が映る様にもうっとり。細い鉄の針(竹やサボテンの棘が使われることもあるようです)によって蘇った自分とは無関係の遠い昔の人の声を平成の終わりに間近に聴く不思議。耳が幸福なひとときでした。
by mmcmp | 2019-02-12 23:57 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「風が強く吹いている」アニメの話☆彡

f0119179_23331593.jpg最近何度も書いてる「風強」のアニメの話を独立した記事にしたいと思います。1クールかけて群像劇として丁寧に描いて来ての今週14話はホントに秀逸。箱根駅伝出場には予選会までに公認記録を出す必要があり、その最後の記録会。原作よりかなり遅いタイム設定だった漫画オタクの王子の挑戦を仲間が見守り、ハイジの震える口元、涙で視界がぼやけるラストからのエンディング「道」は、マジで泣かせます。ムサのお風呂のエピソードは原作ファンには嬉しい。ここで持って来たか、という感じ。数々の伏線も見事で、日本アカデミー賞優秀脚本賞受賞経験のある喜安浩平さんのシリーズ構成と脚本が光ります。
演出の見事さは言うまでもなく、モモ母がすごいと思うのは、まず音響。例えば1話でハイジがアオタケの住民に駅伝に出ようと宣言する場面で、看板を机にドン!と置いて食器が動く音がする。モモ母もラジオでSEつけてたけど、自分なら「ドン」はつけても食器の音まで考えないだろうなあと思う。2クール目のオープニングでは、ニコちゃんがチュッパチャップスを口から出す音まで入ってて可愛い。声優もハイジ役の豊永利行が素晴らしい。声優たちは呼吸を学ぶために陸上選手と一緒に走ったというし、収録では動かず激しい息遣いをするので過呼吸になったりするとか。作画もすごくて、2人の主人公カケルとハイジでは走法を描き分けたり、服が頻繁に変わったり、背景が細部までリアルで、換気扇や掛時計がちゃんと動いていたり。アドリブに合わせて流れ星を追加したり?? 林ゆうきの音楽も素敵。最終回のアフレコが終わったそうで、新潮社と三浦しをんから届いたというニラの焼菓子が超可愛い。スタッフが原作を大事にしていて良いものを作ろうという熱量が伝わってきます。豊永さん、原作を読んで号泣したから、ちゃんと演じられるか大変と言ってたけど、どんな収録だったんでしょうか、すごい期待してます。タイムラインに上がるtweet数も増えて、益々盛り上がること間違いなし。楽しみです。
http://kazetsuyo-anime.com/
by mmcmp | 2019-01-25 00:45 | 観劇・鑑賞 | Comments(2)

「民衆の敵」

f0119179_1134156.jpg30日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されている「民衆の敵」を観ました。11000円という値段にちょっと迷ったものの、「るつぼ」と同じジョナサン・マンビィ演出なので行くことに。群衆を使った洗練された幕開けは「るつぼ」に通じるものがありました。堤真一はこういう作品が合ってると思う。安蘭けいに段田安則、木場勝己、そして初めて観る谷原章介も。谷原さんは舞台はイマイチと聞いてたけど、よく通る声は耳に心地いいし、役どころもピッタリで好演でした。
港町で発見された温泉の水質が工場からの廃液で汚染されている事実を突き止めたトマスが兄で市長のぺテルに改善を進言するも、市長は事実を隠蔽。事実を知った新聞記者たちは最初はトマスの味方をしていたのに、工事の莫大な費用が市民の税金から賄われると知った途端、態度を翻し、トマスは町の人たちから「民衆の敵」と呼ばれることに。1882年に書かれたとは思えないイブセンの戯曲。「世界一強い人間は、なにがあっても一人で立っている人間だ」というトマスの最後の台詞が印象的だけど、長い演説は今ひとつ響かないし、では実際に一人で立っている人がどれだけいるのか。パンフで堤さんは「自分の頭で考え、判断しているのか、今の日本に生きる僕らにとって他人事と思えないテーマ」「自分の意思を持たないひとかたまりの“民衆”になっていないか」。谷原さんは「僕は“正義”という言葉には懐疑的かな。正義って異なる“正義”を持つ人を、犠牲にして成り立っていることもあるから」と。今回のバンフ、中身が濃くて買って良かったです。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/18_people/
by mmcmp | 2018-12-29 02:24 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「ドアノーの愛した街パリ」

f0119179_230414.jpg祇園の何必館で1月20日まで行われている「ドアノーの愛した街パリ ROBERT DOISNEAU展」に行きました。何必館や美術館「えき」KYOTOでの展覧会に何度も行っているし、写真集を何冊も持っているのに、どうしても行きたくなります。「市役所前のキス」や「斜めの視線」「ねぎを持つ恋人」などお馴染みの作品は、再会するような気持ちで。前に見たはずなのに初めて見るような作品には新たな感動を覚えながら、それぞれの作品を楽しみました。
今回好きだったのが「ルーブルの箱庭」という1969年の作品。ルーブルの一角で大の字に寝転んだ少年の上に黒い犬が乗っている姿が印象的で、以前見た記憶がなくて忘れてるのかなと思ったけれど、家にある写真集にはいずれも掲載されてなかったから、初めて見る作品だったかも。こうした邂逅があるから何度も足を運びたくなります。名も無き労働者や子供たち、踊り子たちがパリに生きたということ、梶川館長がいう「永遠から獲得した数分のいちの一秒」「奇跡の瞬間」を2018年に見られる喜びを感じました。5階の「太子樹下禅奈」にも久しぶりに再会。近くには樹木希林さんが亡くなられた枕元にこの絵の複製画がかかげられていたという記事が貼られていました。2階の展示室では魯山人の備前手をけの花器がドアノーの写真と不思議と調和して素敵でした。
http://www.kahitsukan.or.jp/
by mmcmp | 2018-12-21 03:29 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「第29回雋溪水墨画会作品展」&「都ライト'18」

f0119179_29338.jpg11月は行きたいイベントが目白押し。土曜は東福寺・天得院で9~11日に行われた「第29回雋溪水墨画会作品展」へ。書画家の王石明さんとお弟子さん達が毎年秋に開催される展覧会。モモ母は3年ぶりです。水墨画で描いたムーミンパパがあったり、ヒキガエルを釣り上げる家運隆盛を象徴するめでたい絵と言われる「劉海戯蟾図」など興味深い作品がありましたが、やはり目を引くのは奥の部屋の床の間に飾られた王さんの作品。迫力ある大きな龍の絵もモダンアートのような蓮の絵も、傍の花器や香炉なども素敵。やっぱり墨って良いなと改めて思いました。東福寺の紅葉は色づき始め。でも晴天だったので、時折見かけた赤い楓が映えてキレイでした。
日曜は9~11日に西陣で行われた「都ライト'18 町家からもれだす暮らしの灯り」へ。まちと町家のライトアップイベントで今年で14回目だそうですが、初めて知りました。街路に行灯を置くのはよくあるけど、格子戸の内側からも光を当てて路面に美しい線を描き出していていて、派手なイルミネーションとは違う魅力がありました。パフォーマンスステージでは学生たちが踊ったり、その隣で「カフェバスデュード」が自家焙煎珈琲やハンバーガーを販f0119179_2401162.jpg売。ラテ(400円)を頂きました。上立売から上七軒を北野天満宮まで。「のばら珈琲」の前を通ったら隣の提灯がなくなりゲストハウスになっててビックリ。のばらさんにも又行かねば。
http://miyako-light.anewal.net/
by mmcmp | 2018-11-12 02:46 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

3年ぶりの洛趣会

f0119179_0171512.jpg昭和3年から続く京都の老舗による展示会「洛趣会」に出かけました。訪れるのは青蓮院で行われた第83回以来3年ぶりで、すっごい楽しみにしていました。第86回の今年は手づくり市で有名な百万遍知恩寺です。受付を済ませてまずは尾張屋さんの蕎麦席へ。お出汁の良い香りがお席に漂います。お蕎麦を頂いて場内に入ると「伊東」の御所人形や「岡重」の京友禅など、老舗が販売は一切なしで自慢の品を披露。「寺内」の人が「長くこの仕事をしているけど、こんなものは初めて見る」と説明していたダイヤモンドやくろ蝶真珠など貴重な品を見られる贅沢。「いづう」の鯖寿司も美しい器に盛り付けられてると見事な芸術品。こうして眺めるとお寿司のフォルムの美しさを再認識します。
毎回楽しみな「辻留」さんの茶懐石、「千切屋」や「川島」の織物、富岡鉄斎の「景徳鎮登窟図」など目の保養をした後、お茶席へ。3日は表千家、4日は裏千家の担当で「一保堂」の薄茶と「とらや」のお菓子が振舞われます。頂いた後でお道具を拝見するとウf0119179_123451.jpgエッジウッドのジャスパーの水指が。いつ頃のものか不明だそうで、塗の蓋は後から作られたもので宗哲の作とのこと。久々で本当に楽しかった。来年もまた行けると良いのですが。
by mmcmp | 2018-11-04 01:06 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「終われない男たち」

f0119179_23264882.jpg23日まで下北沢・本多劇場で上演された劇団東京ヴォードヴィルショー第72回公演「終われない男たち」を観ました。新宿の飲み屋街で繰り広げられる群像劇。バブル時代とその後の落ち込みを経験した65歳のCM会社社長、佐藤B作演じる原田が一発逆転を狙って焼酎メーカーの会長をスナックで接待するも、ライバル会社に横取りされたり、一週間後に老人ホームへの入所が決まった老人が迷い込み、次男の嫁が探しに来たり。昭和テイストの舞台に「このままじゃ終われない」「人生、もっとパッとしてるはずだったんだけどな」「機関車のように懸命に線路を走り続けてもうすぐ終点、でもこの道で良かったのか、もっと違った景色が見られたんじゃないか」様々な登場人物の台詞がリアルに響きます。名刺の肩書きで人を判断したり、調子に乗りすぎて今更やめられなくなったり、というのもありがちな話。
作はラッパ座の鈴木聡。ヴォードヴィルへは初の書き下ろしだそうですが、「~男たち」という馴染みのタイトルもあって、創立45周年を迎えた劇団にピッタリの作品でした。中島敦彦とテイストが似ていて、生演奏があったこともあり「見下ろしてごらん、夜の町を。」を思い出させました。パンフでB作さんが若い頃「喜劇の革命児でいたい」と言ったと紹介されてましたが、見始めた頃のB作さんは確かにギラギラしてました。芝居も勢いがあって、それが落ち着いた感じになりだして、ちょっとパワーダウンしたかに見える時期もあったけど、ここ数年は年を重ねた味わいに特有のケレン味も加わって、世代をこえて楽しめる公演が続いていて、嬉しい限りです。伊藤つかさも観に来てたらしいと思ったら、暴れん坊将軍チームだったようです。そう言えばB作さん、暴れん坊将軍に出てましたね。
http://www.vaudeville-show.com/72/
by mmcmp | 2018-09-23 23:52 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「ザ・空気2 誰も書いてはならぬ」

f0119179_22293242.jpgびわ湖ホールで2日に大千秋楽を迎えた二兎社の「ザ・空気2誰も書いてはならぬ」を観ました。国会記者会館の屋上で繰り広げられるジャーナリストたちの会話。保守系全国紙解説委員の飯塚、総理に最も近いと言われる放送局政治部記者の秋月など、すぐにモデルが思い浮かんでしまうリアルな設定。ニュース番組の元アンカーで自ら命を絶ったとされる全国紙系列テレビ局の桜木でさえ、原発問題を追っていて自殺した(他殺説も)某報道番組ディレクターを彷彿とさせます。スシローならぬメシ塚を演じる松尾貴史の総理の物真似も誰かさんにそっくりで苦笑。作・演出の永井愛は実際にありえないことは書けないからと現役記者たちに内容をチェックしてもらったそうで、芝居を見たメディア関係者から「よく書いて下さった」「影ながら応援しています」とのメッセージが多数寄せられたとか。
総理が記者会見する際のQ&A原稿を記者自らが書いていた、その原稿を記者会館でコピーした際に置き忘れてしまい、他社の記者にみつかってしまうというストーリー。これ、M総理時代に実際にあった話だそうです(筑紫さん時代のニュース23で取り上げられたそう)。記者クラブ加盟社以外は入れない記者会館の屋上でデモの様子を撮影しようとする安田成美演じるネットメディア記者まひるもモデルがいて、実際に屋上に潜入したとか。「メディアをうらむな。メディアをつくれ」 というまひる、「スクープは後に続く者がなければ死にメディアになる」「人々は真実に飽きている」という官邸キャップの及川。まさにスクープが消されていく今の空気を描いていて永井愛の筆の冴えに唸りました。最後は2階席までがスタンディングオベーション。立つのが儀式化してる大阪と違って、普段大人しい滋賀の観客がこぞって立つのはかなり珍しい。びわ湖ホールで数多くの作品を観たけど、おそらく初めてです。演劇は日本の民主主義を守る力になると思える舞台。勿論、モモ母も立ちました。
http://www.nitosha.net/kuuki2/
by mmcmp | 2018-09-02 23:54 | 観劇・鑑賞 | Comments(2)

「お蘭、登場」

f0119179_15491175.jpg26日まで大阪・サンケイホールブリーぜで行われた「お蘭、登場」を観ました。北村想とシス・カンパニーによる「日本文学シアター」第5弾で、江戸川乱歩の世界を描くというもの。人間椅子や鏡地獄など乱歩ネタも出てくるけど、あくまでモチーフ。空地小五郎と目黒警部が謎の女性お蘭に翻弄される現代のお話。犯罪統計資料が映し出され、獄死した兄弟の冤罪を匂わせるものの、多分それはお蘭の行動に理由がほしいから後付けされたんだろうなという感じ。キョンキョンの七変化に生歌も聴けるし、演出も凝っていて、娯楽としてはよく作られてるんですが、戯曲に物足りなさを感じて、これで8000円は高いよなぁというのが正直なところでした。北村想が元々あんまり好きじゃないのもあると思いますが、ホンに深みがなくてイマイチ。
役者は良かった。小泉今日子は女優を一時休業するそうで舞台はしばらく見納めらしく、変装や長い台詞に熱演し、高橋克実はキャラを存分に発揮して良い味出してました。人間椅子のイスカンパニーから堤真一とシス・カンパニーの楽屋話を繰り広げるのはおそらくアドリブによる日替わりサービス。ココイチのカレーをスタッフに差し入れるつもりが今半の上弁当になってたのに支払いは自分持ちとか、このやりとりのせいで、上演時間がどんどん長くなって社長に怒られると言ってましたが、結構マジかもね。堤の「先、行っていいっすか?」の台詞で芝居に戻るという流れ。本日千秋楽なので高橋さんは「もう3年やってる」と言ってた「グッディ」に来週から復帰するのかな?
http://www.siscompany.com/oran/gai.htm
by mmcmp | 2018-07-26 16:48 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)