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「若冲」

f0119179_110490.jpg初期消火に失敗したら建物ごと燃やすしかない」ってスゴい言葉ですね。これも今年の流行語大賞にノミネートされるでしょうか? さて、澤田瞳子の「若冲」を読みました。錦高倉市場の青物問屋の長男ながら妻を亡くしてから絵に没頭し、独自の世界を描いた伊藤若冲。若冲って人気があるけど、そんなに凄いかなぁ・・確かに面白い作品はあるけど、インパクトなら国芳や曽我蕭白の方があるし、モダンさは其一の方が洗練されてるよねと思ってるモモ母。この小説を読みながら、やっばり好きになれないと思ってしまったのでした。
これってどこまで史実に基づいてて、どこからフィクションなんだろうと思っていたら、若冲は独身とされてるようです。ただ大店の息子が嫁をもらわないのは当時としては考え難く、かつて妻がいたことを否定することも出来ないことから自死した妻を弔い、自らを責め続ける術として絵に没頭したという設定に。姉の死は若冲のせいだと恨み、若冲の贋作を描き続けた義弟の弁蔵も架空の人物だし、若冲が絵と向き合う理由そのものが架空な訳ですが、池大雅や円山応挙、与謝蕪村を絡ませたりしてよくできたフィクションではありました。澤田瞳子は澤田ふじ子の娘なんですね。1977年京都生まれで同志社で学んだとかで、作品そのものよりも自分と同じ街で育って身近な大学に通ってた年下の人が、こんな本格的な時代小説を書く力量を身につけていることに感動したのでした。令和初の直木賞候補は6人全員が女性で彼女もその一人。他の作家さんの作品は未読なので、出来れば澤田さんにとって欲しいなぁ。それにしても知らない作家のなんと多いこと。
by mmcmp | 2019-06-20 11:44 | カフェ読書 | Comments(0)

「最果てアーケード」

f0119179_22522585.jpg小川洋子の「最果てアーケード」を読みました。小川洋子って現代作家の中で「文学」を感じさせる貴重な小説家だと思うけど、読んでて不協和音のような居心地悪さを感じてどうも苦手。元テレビディレクターOさんから届いた「琥珀のまたたき」もnatsunoさんのレビューを拝見して、ちょっと尻込み。先月Oさんが送って下さったこちらを先に読んでみました。これはとっても好き、初めて読んで良かったと思える小川作品でした。
薄暗く狭い通路の「世界の窪み」のようにひっそりしたアーケード。店では義眼、ドアノブ、レース、勲章などがそれを必要とする人のためにじっと待ち続けています。遺髪でレースを編む女性、レモネードの入った魔法瓶が置かれた読書休憩室で百科事典の「あ」から順に読んでいく少女、元体操のオリンピック選手と偽る結婚詐欺の女性など、登場人物たちも不思議です。映画館からの出火が原因の火事で亡くなったアーケードのオーナーの娘が子供の頃からの記憶を語る形で物語が綴られ、前半は元気な子犬だったぺぺは、商品の配達に必ずついてきたのに、終盤ではドアノブを売るノブさんの傍で横たわる老犬に。それで経営は成り立つのかと思う非現実的な設定だけど、「ある街角の物語」やチェブラーシカの人形アニメを観るような世界が広がり、読んでいる途中で、ふと自分自身の記憶が蘇ってくるのです。「私」の母親が入院する病院を訪ねる場面では、母が手術のために初めて京大病院に入院した日に渡り廊下から病室の窓越しに見た母の痩せた背中を突然思い出して切なくなりました。アーケードで売られているのは「だれでも記憶の奥に持っているかえげえのない思い出と響きあうひっそりと美しいもの」(解説より)なのでした。
by mmcmp | 2019-06-12 23:57 | カフェ読書 | Comments(0)

「君はポラリス」

f0119179_2229816.jpg三浦しをんの「君はポラリス」を読みました。恋愛小説集で、表題作があるのかと思ったらそうではなく、最初と最後以外は全く別のテイストの短編集でした。大学卒業後、家業を手伝いながら密かに亡くなった恩師の骨を持っている「骨片」、夫が水族館で後輩に再会してから、自宅マンションに後輩が出入りするようになる「ペーパークラフト」、突然ロハスな暮らしに目覚める「優雅な生活」など、人それぞれの恋愛の形が綴られていて楽しい。友人の結婚式で出席するたびに、僅かに覚えた違和感、無難な相手と適齢期と言われる年齢で結婚することに美を見出さなかったけれど捨松といると違和感がないという「森を歩く」のうはね。謎だった捨松の職業を探る結末はなかなか素敵でした。
「裏切らないこと」の岡村の妻子への思いはイマドキの夫だなあと「道草」の健三との違いが際立って、印象に残りました。息子のペニスを舐める妻の姿を見てしまい、戸惑うけれど「息子を持った母親はたいていしてみるんじゃない?」と同僚に言われるエピソードが出産経験のないモモ母には面白かった。変なことと普通のことの境目ってかなり曖昧なんですよね。そして一番好きだったのが「春太の毎日」。腹痛から嘘のように快復した春太が「麻子が生きて幸せでいる限り、何度でもあたたかい春はめぐってくるんだよ」というラストは「あの家に暮らす四人の女」のラストにも通じる、愛おしさがありました。今年の桜も終わるけど、来年もむぎちゃんと一緒に見たいなぁと思う。理由は「春太の毎日」を読むとわかります。
by mmcmp | 2019-04-17 23:37 | カフェ読書 | Comments(2)

「小さいおうち」

f0119179_11704.jpg中島京子の「小さいおうち」を読みました。映画をテレビで見て、松たか子と黒木華が良く印象に残ってました。昭和初期に女中奉公に出たタキが東京郊外のモダンな赤い屋根の家で若く美しい時子奥様と暮らした日々を、晩年にタキが書き綴った形で語られて行きます。タキが尋常小学校を卒業して上京したのは昭和5年の設定なんですが、当時の世相風俗を盛り込んでいるもののモモ母の親より年上、米寿を過ぎた人が書いた文章には思えないのが致命的。映画は山田洋次が巧かったんだな・・・。
そうは言っても香蘭社のティーカップや美術雑誌の「みづゑ」、真桑瓜(祖母は「まくわ」をよく食べさせてくれました)などのアイテムは懐かしいし、「戦争が始まって世の中が明るくなった」「南京陥落の戦勝セールが楽しかった」等は当時を知る人の生の声だろうと思う。男たちは日米開戦の是非を論じたり、仕事の判断を迫られるけど、女たちは「難しいことはよくわからない」。戦争が始まったと言っても普通に日常生活が続き、それが急激に非常事態になっていくのがリアルです。可愛かった恭一ぼっちゃんがどんどん愛国少年に変わって行くのが象徴的。時子の友人の雑誌記者の睦子は「銃後の要は主婦の倹約精神」などと体制的な記事を書いていたのに、戦後は民主主義の闘士となる変わり身の早さ。付録の対談で中島京子は「怖いんです。調べていくうちにみんな私たちと同じように楽しく暮らしていたのに、いつの間にか戦争に向かっていったんだとわかりました。今の私たちも、いつでもああなる危険性があるんだと」と言っていて、そこはちゃんと描かれていました。挙国一致の徹底のためには翼賛政治体制協議会が推薦する候補が議席を埋め尽くさなければならないと旦那様が言っても、なんのことだかよくわからないと思うタキ。いつでもああなる危険、ありますね。
by mmcmp | 2019-03-30 03:03 | カフェ読書 | Comments(0)

「先生のお庭番」

f0119179_2211828.jpg朝井まかての「先生のお庭番」を読みました。表紙の美しさに惹かれたのと、朝井まかては「恋歌」がとても良かったので、今回も期待してました。そして期待通りでした。阿蘭陀から来たしぼると先生が日本に医術を伝えるために出島に薬草園を作ろうとし、その園丁を任された十五歳の熊吉。経験不足を補うように知恵を絞って工夫を重ねる熊吉に「よか薬草園だ、そなたはよか仕事する」と言うしぼると先生。異国の文化に触れ、しぼると先生を慕って集まる若者たちが熱心に学び、議論する様子に刺激を受ける熊吉の高揚感が伝わって、読んでいてワクワクします。でも夢のような日々はやがて終わり、まるでオセロゲームで黒から白に次々と変わっていくように、状況や先生像が揺らいでいくのは「恋歌」で弾圧した側が虐げられる側になったことに通じる劇的な変化。
思えば「シーボルト事件」とか「オランダおいね」とか言葉は知っていても、それは自分にとっては単なる記号のようなもので、その時に生きてその場にいた人たちのこと、当事者たちの心情に思いを馳せたことがなかったなと今更ながらに思う。もちろん、小説はフィクションだし、身近に感じたことは錯覚なんだけど、でも、幕末というのはそんなに遠い昔の話ではないんだなと晩年上方に移り住んだ熊吉とイネが再会する終章を読みながら、感じました。しぼると先生の奥方タキさんの再婚後の消息も気になる。教科書や歴史書に出てくるのは著名な人物だけだけど、熊吉のような名も無き人の行為がその後に大きな役割を果たしたり、時代に影響を与えることもあったんだろうし、これからもあるんだろうなと思うのでした。
by mmcmp | 2019-02-27 23:34 | カフェ読書 | Trackback | Comments(0)

「あの家に住む四人の女」

f0119179_22183233.jpgnatsunoさんのブログを拝見してから、ずっと読みたかった
三浦しをんの「あの家に暮らす四人の女」を読みました。谷崎潤一郎の没後50年を記念した企画で「細雪」が下敷きになってるとか。都内の古びた洋館に住む母娘と娘の友人たちの早春から盛夏を描いた物語。家は阿佐ヶ谷が最寄駅という設定ですが、杉並だったり善福寺川だったりと学生時代を過ごした場所が出てくるし、下北沢のマンションの近くにも当時は古い洋館がいくつかあったので、身近に感じられて楽しかった。佐知の母の鶴代の外出先は伊勢丹。偶然かも知れませんが、「大家さんと僕」の大家さんが行くのも伊勢丹で、今の東京の年配女性のお出かけ先って日本橋三越じゃなくて新宿伊勢丹なのねと思ったり。
前半は割と地味だったのが、突然「カラスの善福丸」だの「私」だのが出て来て、なんか唐突だなぁと思ったら、私の登場からは怒涛の展開。ドタバタ漫画のような盛り上がりを見せ、しかもその場面が意外にも泣かせるエピソードだったり。「風が強く吹いている」が青春を生きてる若い人から青春を懐かしむ世代まで幅広く支持されるのに対し、この作品は物語として面白く読んでも、共感する人はニッチというのか、限定されると思う。でも「30代以上」の「未婚」の「女性」の心にはかなり刺さる。片親や両親が他界したりしていると、更に愛おしく大切な一冊になるはず。モモ母にはすごく刺さりました。「それぞれの人に悪い行いや間違った選択はたくさんあったのだろう。これからもあるに違いない。だが、そのすべてを飲み込み、毎日は続いていく。それでいい。それがいいのだ」これも風強みたいにアニメ化して欲しいなぁと思ったら、ドラマになるようですね。抱腹絶倒のあのシーン、ドラマでうまく表現できるのか???
(余談ですが、風強アニメが10分でわかるダイジェストPVできてます。必見ですよ!)
by mmcmp | 2019-02-20 23:31 | カフェ読書 | Trackback | Comments(0)

「太陽のパスタ、豆のスープ」

f0119179_0341095.jpgTカードだけでも不気味なのに、総務省が五輪のテロ対策の名目で家庭や企業のIoT機器(ネットに接続されたあらゆるもの)に無差別侵入し調査するって怖すぎませんか!? もうホント五輪なんてやらなくて良いです・・・。
さて、宮下奈都の「太陽のパスタ、豆のスープ」を読みました。「食堂かたつむり」や「雪と珊瑚と」など女性が食べ物に癒され、再生していくのは最近の小説の一つのパターンなのか、これも結婚式直前に突然婚約を解消された明日羽が主人公。またか・・と思いながらも宮下奈都は「羊と鋼の森」がとても良かったので、読んでみることに。失意の彼女に叔母のロッカさんは自分がやりたいことや欲しいものをドリフターズリストに書き出すことを提案。綺麗になるためエステに行ったり、鍋を買って毎日料理をしたり。青空マーケットで同じ職場の郁ちゃんが売っていた豆のラベルに世界の食糧危機のことが書かれていたことに驚く明日羽。一粒の豆を見て考えることの深さが郁ちゃんと自分ではこんなに違う、気づくことの出来なかった自分を情けなく思ってしまう。でも、幸せだとそんな自分にさえも気づけないよね。気づかないまま人生を過ごしたって良いけれど、平凡な母や兄が新たな挑戦をしようとしていること、母が毎日ご飯を作ってくれてた有り難さも、見つめ直したからの気づきだし、その意味ではショックな出来事も決して悪いことばかりではないのかも。でも、変な自己啓発セミナーや宗教にハマる人もあるからちょっと怖い。郁ちゃんやロッカさん、幼馴染の京など、明日羽の周りには良い人がいて良かったね、と思う。店を始めるパターンじゃないラストが良かった。ちょっと立ち止まりたい時に読むのがオススメです。
by mmcmp | 2019-01-27 01:15 | カフェ読書 | Comments(0)

「神去なあなあ夜話」

f0119179_2213491.jpg三浦しをんの「神去なあなあ夜話」を読みました。文庫本のつもりで仕事で欲しい本と一緒にネットで注文したら単行本が届きました。横浜出身の勇気が山あいの村で林業に従事することになった「神去なあなあ日常」の続編。勢いがあってグイグイ読ませた全作に比べて、村の言い伝えや暮らしを描いた続編はやや大人しめで最初はちょっと物足りなかったけど、途中からやっぱり引き込まれるものがありました。
村の伝説を信じる世界は「家守綺譚」にも通じるものを感じます。ただし現代に生きる二十歳の勇気はそれを「日本昔話的世界」だと客観的に評してる。お稲荷さんにお参りすると失せ物が出てきたのは、お稲荷さんの神通力というより、信心深い村人の良心が咎めたから。そういえば昔は悪いことをしたら「お天道様が見てる」と言われたものです。そして「つながること」の大切さは「風が強く吹いている」にも通じると思うのです。「風強」が仲間を信じ、襷をつなぐことでつながるのに対し、「神去」は森の奥深くで自然とひとつになったり、伝説を語り継いだり、村の歴史を知ることで先人とつながり、自らも未来へつなげていく。その大きな流れの中で村祭だったり、本物の木を使ったクリスマスだったりと村人のささやかだけど尊い日常が重ねられる、やっばりダイナミックな話なのでした。「風強」といえば、17日にニコニコ動画で、1月1日にはCS日テレでアニメの一挙放送があります。見てない人も今から追いかけて、お正月の箱根駅伝を楽しみましょう。原作本もすごい売れてるようで重版出来、近くの書店では先日まで平積みされてたアニメのカバー付文庫本がなくなって通常バージョンだけになってたし、街中の書店では完売したのか1冊も見当たりませんでした。「自分にとって人生のバイブル」「もっと早く出会いたかった」との感想を見かけ、多くの人の力になってる様です。風強も神去もオススメです!
by mmcmp | 2018-12-16 23:59 | カフェ読書 | Comments(2)

「アンをめぐる人々」

f0119179_1110426.jpg冒頭にスミマセン、新規コメントの表示が出ていたんですが、コメント欄を開くと新たなコメントはなく、もしかしたら操作ミスで削除されたのかも・・と気になっています。最近コメント投稿したけど表示されてない、という方がおられましたら、申し訳ありませんが、再度書き込んで下さると嬉しいです。
さて、モンゴメリの「アンをめぐる人々」を読みました。これも「アンの友達」などと同様にアンは殆ど出て来ません。「虹の谷のアン」みたいに脇役でも登場すればタイトル通りの「めぐる人々」だけど、名前すら登場しない別作品に近い。おそらく作者はアヴォンリーを舞台にした別ものとして書いてるんでしょう。猫の話は表題作しか出て来ないのに「私の猫たち許してほしい」を猫本として売る商法を思い出しました。「めぐる人々」ならマシューの初恋とかギルバート少年の冒険譚、ダイアナ目線の学校生活みたいな話が読んでみたかったです。「アヴォンリーではだれもかれも他人のことなら残らず知っている」という信心深く善良な人たちだけど同調圧力が強そうな街で、自尊心を持って己の信じる生き方を貫く人を描いた作品集。未婚女性が「オールドミス」と呼ばれる時代にかつての恋人の話を捏造したら、同じ名前の男性が実在したという「偶然の一致」、母親の遺言を呪縛のように守って弟の世話をし続け、天然痘になった弟を献身的に介護する「没我の精神」などささやかな人生の中でその人の想いを強く感じる短編が綴られています。「平原の美女タニス」の「未開人」だの「混血種」だのという表現は原作執筆時と共に村岡花子による翻訳当時の価値観が現れていて、今読むとちょっと違和感があるけど、根にあるものは変わってないのかも。お話の世界だからこその展開とはいえクリスマスの集いで親戚に「失敗者」と言われたロバートを兄弟たちが様々なエピソードを披露して讃える「失敗した男」が好きでした。
by mmcmp | 2018-11-29 12:09 | カフェ読書 | Comments(0)

「冬虫夏草」&「家守綺譚」

f0119179_232425.jpg読みたいと思っていた梨木香歩の「冬虫夏草」を漸く入手しました。大好きだった「家守綺譚」の続編です。亡き友・高堂の家に住む綿貫が著述したものという設定は同じですが、前作が家の周辺で起きる出来事を綴ったのに対して、今回は姿を消した犬のゴローを探して山中を往く旅行記的な内容です。「イワナの宿」に行くのも旅の目当てのひとつ。「イワナを食べさせる宿」でなく、「イワナの夫婦が営む宿」というのがいかにもこのシリーズらしい。河童や天狗が登場する泉鏡花にも通じる不思議な世界ですが、絢爛豪華な怪異譚の鏡花と違って、近江から鈴鹿に向かう地味でもっと生活に根ざした現実と非現実の狭間のお話。東近江の愛知川流域を進む道中で立ち寄る神社やその由緒は作者の創作かと思ったら、ちゃんと実在してるのが驚き。郷土史などを丹念に取材されたんですね。
汽車の中で出会った婦人の服装を見て、「隣りのおかみさん着た例しも着る予定もない類のものだとぼんやり思った」という記述があり、えっとおかみさんてどんな人だっけと思って「家守綺譚」も再読しました。犬のゴローは綿貫征四郎の次は「征五郎」だから略してゴローと掛け軸からやってきた高堂が名付けたこととか、すっかり忘れてましf0119179_3145261.jpgた。2作ともツリガネニンジンだのヒヨドリジョウゴだのと植物の名前が各章のタイトルになっていて、どんな草花なのかとGoogleで画像検索しながら読むのも楽しかった。疎水近くにあるという高堂の家は吉田山や南禅寺が出てくるから鹿ケ谷にある白砂村荘みたいなイメージで読んでたけど、「冬虫夏草」の記述から山科の設定でした。100年程前の京滋にありそうな幻想の世界。またいつか読み返したくなると思います。
by mmcmp | 2018-10-05 03:22 | カフェ読書 | Comments(0)