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「アンをめぐる人々」

f0119179_1110426.jpg冒頭にスミマセン、新規コメントの表示が出ていたんですが、コメント欄を開くと新たなコメントはなく、もしかしたら操作ミスで削除されたのかも・・と気になっています。最近コメント投稿したけど表示されてない、という方がおられましたら、申し訳ありませんが、再度書き込んで下さると嬉しいです。
さて、モンゴメリの「アンをめぐる人々」を読みました。これも「アンの友達」などと同様にアンは殆ど出て来ません。「虹の谷のアン」みたいに脇役でも登場すればタイトル通りの「めぐる人々」だけど、名前すら登場しない別作品に近い。おそらく作者はアヴォンリーを舞台にした別ものとして書いてるんでしょう。猫の話は表題作しか出て来ないのに「私の猫たち許してほしい」を猫本として売る商法を思い出しました。「めぐる人々」ならマシューの初恋とかギルバート少年の冒険譚、ダイアナ目線の学校生活みたいな話が読んでみたかったです。「アヴォンリーではだれもかれも他人のことなら残らず知っている」という信心深く善良な人たちだけど同調圧力が強そうな街で、自尊心を持って己の信じる生き方を貫く人を描いた作品集。未婚女性が「オールドミス」と呼ばれる時代にかつての恋人の話を捏造したら、同じ名前の男性が実在したという「偶然の一致」、母親の遺言を呪縛のように守って弟の世話をし続け、天然痘になった弟を献身的に介護する「没我の精神」などささやかな人生の中でその人の想いを強く感じる短編が綴られています。「平原の美女タニス」の「未開人」だの「混血種」だのという表現は原作執筆時と共に村岡花子による翻訳当時の価値観が現れていて、今読むとちょっと違和感があるけど、根にあるものは変わってないのかも。お話の世界だからこその展開とはいえクリスマスの集いで親戚に「失敗者」と言われたロバートを兄弟たちが様々なエピソードを披露して讃える「失敗した男」が好きでした。
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by mmcmp | 2018-11-29 12:09 | カフェ読書 | Comments(0)

「冬虫夏草」&「家守綺譚」

f0119179_232425.jpg読みたいと思っていた梨木香歩の「冬虫夏草」を漸く入手しました。大好きだった「家守綺譚」の続編です。亡き友・高堂の家に住む綿貫が著述したものという設定は同じですが、前作が家の周辺で起きる出来事を綴ったのに対して、今回は姿を消した犬のゴローを探して山中を往く旅行記的な内容です。「イワナの宿」に行くのも旅の目当てのひとつ。「イワナを食べさせる宿」でなく、「イワナの夫婦が営む宿」というのがいかにもこのシリーズらしい。河童や天狗が登場する泉鏡花にも通じる不思議な世界ですが、絢爛豪華な怪異譚の鏡花と違って、近江から鈴鹿に向かう地味でもっと生活に根ざした現実と非現実の狭間のお話。東近江の愛知川流域を進む道中で立ち寄る神社やその由緒は作者の創作かと思ったら、ちゃんと実在してるのが驚き。郷土史などを丹念に取材されたんですね。
汽車の中で出会った婦人の服装を見て、「隣りのおかみさん着た例しも着る予定もない類のものだとぼんやり思った」という記述があり、えっとおかみさんてどんな人だっけと思って「家守綺譚」も再読しました。犬のゴローは綿貫征四郎の次は「征五郎」だから略してゴローと掛け軸からやってきた高堂が名付けたこととか、すっかり忘れてましf0119179_3145261.jpgた。2作ともツリガネニンジンだのヒヨドリジョウゴだのと植物の名前が各章のタイトルになっていて、どんな草花なのかとGoogleで画像検索しながら読むのも楽しかった。疎水近くにあるという高堂の家は吉田山や南禅寺が出てくるから鹿ケ谷にある白砂村荘みたいなイメージで読んでたけど、「冬虫夏草」の記述から山科の設定でした。100年程前の京滋にありそうな幻想の世界。またいつか読み返したくなると思います。
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by mmcmp | 2018-10-05 03:22 | カフェ読書 | Comments(0)

「風が強く吹いている」

f0119179_2334288.jpgお盆ですね。ボンジョビで踊る中野の盆踊り動画が拡散されてて、「松戸ではジンギスカンで踊ってた」というリプも。それと、3日連続で「満願」をドラマ化してますね。「万灯」をチラッと見たけど西島秀俊はちょっとイメージ違うなぁ・・・。
さて、三浦しをんの「風が強く吹いている」を読みました。漫画オタクの王子や双子のジョータとジョージ、留学生のムサなど竹青荘に住む10人の大学生が箱根駅伝に挑むお話。漫画みたいな設定で、実際に素人が一年でそんなに簡単に成長するとは正直思えない。でもリアルに描こうとしてるのにからくりが嘘っぽいと思った「満願」よりずっと違和感ないし、文章に勢いがあるから650頁ほどの長編をどんどん読み進めたくなります。タイミングを逃してレビューを書かなかったけど、昨年読んだ佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」もすごくハマって、「一瞬の・・」はリレー、「風が・・」は駅伝、何人もの選手が練習を重ね、仲間とバトンや襷をつないでゴールを目指す姿は読んでて楽しい。でも「一瞬の」で描かれたのは高校生の部活で、彼らはトップアスリートになれる訳ではないし、彼らが走る意味は何だろうと考えさせられたけど、この作品にはその答えが描かれていました。彼らが長距離を走るのは「速く」でなく「強く」なりたいから。勝利至上主義的な昨今の風潮へのアンチテーゼでもあるのかな。物語は陸上経験のあるハイジと走を主に展開し、後の8人はどちらかというとモブキャラっぽいんですが、各自が走る区間でそれぞれの思いやこれまでの生き方などがきちんと描かれていて、このあたり三浦しをんは本当に上手い。執筆するに当たって時速20キロで走る車の窓から顔を出して、選手たちが受ける風を体感したというエピソードも好き。来年の箱根駅伝を見る目が変わりそうです。10月からアニメをやるようで、コンテンツ不足なのね、と思いつつ見てしまうかも。「舟を編む」と双璧をなす名作に出会えて嬉しかったです。
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by mmcmp | 2018-08-16 01:44 | カフェ読書 | Comments(0)

「フリン」

f0119179_032452.jpg歴史に残る名演説と言われた枝野さんの内閣不信任案趣旨説明演説が書籍化され、アマゾンで1位(現在は2位)になるなど大きな反響を呼んでいるようですね。2時間43分にわたる大演説なのでBGMがわりに流し聴きしましたが、話が明瞭なので作業しながらでもとてもよく理解出来ました。解説やレジメ付らしいから、買ってみようかな。
さて、椰月美智子の「フリン」を読みました。様々な不倫を描いた連作短編集で、それぞれ独立した話のようだけど、どの作品も「リバーサイドマンション」という昭和な名前のマンションに住む人たちの話で、最後の「二人三脚」は管理人である老夫婦のエピソード。確かにどこのマンションにもそこに住む人それぞれのドラマがあるし、老夫婦が思いもかけぬ過去を持ってたりすることはありますね。小さい頃に仲良しだったお姉さんが母と再婚した義父と不倫してたり、隣の部屋にかつての恋人が引っ越して浮気を始めたりと設定がやや漫画風。それならいいっそ息子の同級生「がっちゃん」に母親が恋心を抱いてしまうというほぼありえない設定の「年下の男の子」がなかなか楽しめました。これまで3冊読んだ椰月作品の中ではお目当てだった「しずかな日々」が一番好きでした。
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by mmcmp | 2018-08-02 01:04 | カフェ読書 | Comments(0)

「トリップ」

f0119179_2253429.jpg6日に予定されている財務省の調査報告が、いつの間にか「調査方針の報告」になってました。清水潔さんが若い人に向けたtweetをしてましたが、今までなかった異常事態が続いています。月曜は古賀茂明さんの記事にゾッとしました。着任早々「しゃこたん」発言をした福井さん、温泉豪遊のハレンチ写真が話題になってたけど、こういう報道弾圧をしてきた人を沖縄・北方担当に任命するのが安倍さんなんですね。
さて、角田光代の「トリップ」を読みました。と言っても、読了は1月なのですが、東京近郊の街に暮らす普通の人たちの日常を描いた連作で、1作目は駆け落ちに失敗した高校生の話で、それ以降は前作にモブで登場していた人が次の作品の主人公になっていくスタイル。前作では影が薄かったのに、この人、本音ではこんなこと思ってたのねという面白さ。そりゃ肉屋に嫁いだ主婦だって古本屋でバイトする独身女性だって、一人一人いろんなことを毎日考えてるし、秘密を抱えてるよね。ただ、この本の前にサリンジャーの「フラニーとズーイ」を読んでいたせいもあるのではないかと思うのですが、読みながら登場人物たちの苛立ちや不安定感が伝染してきて、何となくそこで生き続けるって大変だよねと思い、背表紙に書かれた「透明感のある文体で描く珠玉の連作小説」という表現には同意出来ませんでした。
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by mmcmp | 2018-03-06 00:26 | カフェ読書 | Comments(0)

「しずかな日々」&「るり姉」

f0119179_111371.jpg椰月美智子の「しずかな日々」を読みました。アマゾンの「ポプラの秋」の関連紹介にあって興味を持ったのでした。三島由紀夫とは対照的な「離乳食のような本」だけど、児童文学なので平易なのは当然ですね。母親と離れておじいさんの家で過ごすことになったぼくの小学校5年の新学期から夏休みを綴ったもので、波乱万丈ではなく「しずかな」だけど、それまで友達と無縁だった無口な少年が、押野君と友達になったことで一緒に自転車で知らない町まで工場を見に行ったり、友達が家に泊まりに来たり、寧ろワクワクする幸福な記憶を読者が共有する感じ。お調子者で人気がある押野君みたいな子っていたなぁ。それにしても、この作品にはいじめが全く出て来ない。「えだいち」という呼び名だって学級委員選挙で枝田君はたった1票だったからだし、運動神経ゼロで空き地で野球をしても全然ダメだけど、陰湿な嫌がらせや悪口を言われることなく、そのまんま受け入れられてるんですよね。
「るり姉」も一緒に買ってみました。三姉妹が慕う母の妹「るり姉」と家族のことを綴っていて、高校生の長女さつきが夏、母のけい子がその春、次女のみやこが去年の冬、るり子の夫の開人が去年の秋、と各章ごとに話し手が変わり、最後の第五章は次女のみのりが4年後の春をf0119179_201453.jpg語る流れ。1章でるり姉が入院し、4年後は・・と心配をしながら4章を読み進める訳ですが、湯本香樹実ならこうはないだろうなという結末。椰月美智子が楽観的な作家なのかも知れませんが、児童文学は読んで元気になるのが良いんでしょうね。余談ですが、椰月さんのTwitterに小田急ブックメイツ新百合ヶ丘店の閉店のお知らせがリツイートされてました。行ったことはないけど、本屋さんの閉店はとても残念です。
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by mmcmp | 2018-02-07 02:07 | カフェ読書 | Comments(0)

「ポプラの秋」

f0119179_23434562.jpg高台寺の夜間拝観に続いて、週末は嵐山花灯路に行きました。帰りのJRの中から真っ赤な京都タワーが見えていたんですが、京都駅に着くとタワーの半分は緑色。クリスマスカラーだった様です。
先月、湯本香樹実の「ポプラの秋」を読みました。父を亡くした千秋と母が見知らぬ駅で郊外電車を降り、駅前商店街を抜けていくと住宅街の屋根の間から高い木が飛び出していて、高いところの葉っぱが風もないのにゆさゆさ揺れていた、その光景が目に浮かぶよう。庭にその木があることから「ポプラ荘」と呼ばれるアパートに引っ越した千秋と大家のおばあさん、アパートの住人との交流。天国に手紙を届けるというおばあさんの言葉を信じて、父に手紙を書き続ける千秋。湯本香樹実の作品は代表作「夏の庭」をはじめ子供と老人の交流、死の予感が繰り返し描かれていて、「夏の庭」や「西日の町」は好きだったけど、「岸辺の旅」は重くて苦手でした。この作家はやっぱり「夏の庭」が頂点だなと思っていたんですが、「ポプラの秋」はそれをこえるくらい好きな作品でした。とにかく昭和らしい風景と登場人物が懐かしく愛おしい。作家の年齢差f0119179_028329.jpgもあると思いますが、母子と周囲の人を描いた「漁港の肉子ちゃん」とは明らかに違うテイストです。ポプラ荘なんて名前の、日に焼けた畳や外に洗濯機が置かれたアパートがありそうな時代に子供時代を送った者には、こうした世界がもはや遠い記憶になりつつあること、平成から次の厳しい時代を生きていかねばならない、身近な人たちと別れて前に進まねばならない覚悟と相まって、妙に心に残る一冊となりました。
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by mmcmp | 2017-12-10 23:52 | カフェ読書 | Comments(0)

「理由」

f0119179_23461380.jpg宮部みゆきの「理由」を読みました。読み出してすぐ、これは「火車」と並ぶ読み応えのある作品だなと思い、読み進むと更にその思いを強くしました。荒川区の超高層マンションの1室で起きた殺人事件を取材スタイルで描いた直木賞受賞作。当初は2025号室を所有する小糸家が犠牲になったと思われたのが、小糸一家は妻の実家にいて無事。いつの間にか小糸家に代わって2025号室に住み、犠牲になった4人は家族だと周囲に見られていたのに、実はみんな赤の他人。早い段階で「あの人を突き落とした」と告白するのは10代の未婚の母。話の展開を追うだけでも、読み応えがありました。
それ以上に宮部みゆきの力を感じさせるのが、その手法。事件には目撃者、マンションの住人や管理人、不動産関係者、容疑者とその家族、犠牲者とその家族、2025号室所有者の親族や幼なじみ等、かなりの数の人が関わっていて、それぞれが仕事をしたり通学したり、家族ともめたり、家の事情を抱えたりして日常生活を営んでいる。その背景をインタビューやドキュメンタリー風に丁寧に描いているので、リアリティがあります。容疑者が滞在していた簡易旅館「片倉ハウス」を経営する一家の娘が交番にやってくるという、事件から遠い人達の描写から始まる冒頭も見事。事件と無関係の片倉家の事情もよくわかります。「火車」がカード破産を描いたのに対し、「理由」の鍵になっていたのが占有屋。不動産競売物件に居座って、落札者に立ち退き料を要求する占有屋の存在を初めて知りました。無理して高額なマンションを買った夫婦の離婚、そびえ立つ超高層マンションが虚栄心の象徴の様にも思え、現代社会の歪みや幸せとは何かをも考えさせられる力作でした。
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by mmcmp | 2017-10-29 23:36 | カフェ読書 | Comments(0)

「虹の谷のアン」

f0119179_0225023.jpgほらほら、危惧してた極右大連立の可能性を指摘する声、最悪の事態を恐れる声がチラホラ。中島岳志さんのこんな怖いツイートもあって、今年の流行語大賞は「国難去ってまた国難」だったりして。
さて、アンブックスのレビューを書こうと思っていたら、神谷明さんが槐柳二さんの訃報を伝えるツイート。槐さんといえば有名なレレレのおじさんよりも、モモ母は「赤毛のアン」のマシュウ役が好きでした。ご冥福をお祈りします。そのアニメや絵本でしかいらないアンをちゃんと読んでみようと年に一冊くらいのペースで読み続け、今年は「虹の谷のアン」を読みました。設定ではアンももう41歳。この作品ではアンもアンの家族も脇役で、話の中心は牧師館の子供達。途中で孤児のメアリーも乱入して、様々な騒ぎを起こしていきます。フェイスが可愛がっていた鶏のアダムが隣町から来た牧師をおもてなす為にしめられたり、自らへの罰として断食をして幼いユナが倒れてしまったり、やはり子供がメインの方が生き生きとして、「炉辺荘のアン」よりもずっと楽しく読めました。大人たちは狭いコミュニティで噂話に花を咲かせ、物語の世界として読むのは良いけど、住むのはちょっとなぁと思う。でもどうやらこうした平和で牧歌的な話はこの作品までの様で、次作では第一次世界大戦下でアン一家の男たちも戦地に赴くとか。それはまた来年以降に読むつもりです。
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by mmcmp | 2017-10-02 01:46 | カフェ読書 | Comments(0)

「漁港の肉子ちゃん」

f0119179_040249.jpg11日で今の京都駅ビルが開業して、もう20年だそうです。尖閣諸島が国有化されて5年、アメリカ同時多発テロから16年、そして父の87歳の誕生日でもありました。
西加奈子の「漁港の肉子ちゃん」を読みました。個性的な表紙。元テレビディレクターOさんに頂かなかったら知らなかったし、西加奈子って「蛇にピアス」の人だっけ?(いや、それは金原ひとみ)と思いながら読み始めました。悪い男に騙されて来た通称・肉子ちゃんは、まん丸に太った北の港町の焼肉屋で働く明るい38歳。作品は娘のキクりんの目を通して語られるスタイル。地方都市特有のコミュニティの温かさと、その一方で早く大人になって街から出たいという鬱陶しさも抱く聡明で多感なキクりんの語りが、肉子ちゃんや焼肉屋の主人サッサン、白亜の豪邸に住むマリアちゃん、すぐ変な顔をする二宮などの同級生を生き生きと描き出しています。起承転結とかヤマ場とかいうのがなく、小さなエピソードを重ねて淡々と肉子ちゃん母娘の暮らしが綴られて行くのは、今どきの小説ですね。まぁ昭和のヒーロー、ヒロインみたいな劇的な人生を歩む人はごくわずかで、大多数の人生ってそういうものですね。平凡な暮らしの中で肉子ちゃんはどんどん太り続け、キクりんは日々成長して、今の自分はもう二度と現れることはない。作品は作者が宮城県石巻市に一泊旅行をしたのがきかっけで生まれたそうで、人だけでなく街もずっと同じ形でいられないことを東日本大震災で痛感したと石巻に同行した日野淳は解説で書いています。いつかこの世から消えていくとしても、思いや「ここにいた」瞬間を残すことは出来る、それが小説を書くことではないかと作者は言います。作中、キクりん以外の「私」が語る場面が2回あり、1つはキクりんが生まれる時のこと。もう1つが水族館にいるペンギンのカンコちゃんの独白。遠い海から日本に連れて来られたカンコちゃんが語る数ページが、何故だか印象に残っています。
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by mmcmp | 2017-09-12 01:42 | カフェ読書 | Comments(0)