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「卵を立てることから-卵熱 Recreation」

f0119179_042827.jpg「喫茶イレブン」観客動員が過去最多の1401人とか。孫崎純ちゃんの亮一さんとのツーショット、微笑ましいです。さて、築地で「喫茶イレブン」を観た翌日は三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで山海塾の「卵熱」を観ました。山海塾の中でも一番好きな作品。1986年宇都宮の大谷石地下採掘場跡で初演された時のNHKの映像に魅せられ、DVDも購入、96年の大阪公演も観たけど、リ・クリエーション版として再演される今回は関西での上演がなさそうなことから、三茶で観ることに。
闇に浮かび上がる彫刻のような肉体、舞台上の水面に広がる波形が背景に映し出され、その美しさに魅了されます。上手には天井から音を立てて落ちる水滴、下手には音もなく降り注ぐ砂、命の誕生と終焉、そして再生を暗示させながら繰り広げられる卵との対話。卵に当たった水がしぶきをあげる様は生命の賛歌、うずくまる人に容赦なく積もる砂は役割を終えた者へのレクイエムのように映ります。音楽を含め最も好きなのが、水の中で倒れては起き上がることを繰り返すカレワラ。ソロパートは今回新たな舞踏手に引き継がれたけれど、どうしても天児牛大のそれを思い浮かべてしまいます。天児さんは唯一無二の存在であると改めて思い知らされる反面、山海塾の今後を思うとリ・クリエーションは不可避で、受け継ぐ者の決意と共に観る側も覚悟を迫られている気がしました。そうした重要な岐路に立ち会えて良かったと思います。5日、6日は「金柑少年」のリ・クリエーションが上演されます。
https://setagaya-pt.jp/performances/201806-50139sankaijuku.html
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by mmcmp | 2018-06-04 23:56 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

KCC of the Year 2017

f0119179_419213.jpg今年は記事がなかなか更新出来ないまま、大晦日を迎えました。今年はカフェの当たり年。「カマタ店」や「ドルチェパンダ」「ボルツ」などオーガニックな素材を使った店が増えたのが嬉しかった。でもまだ2度しか行ってないのに、歳月を重ねても通い続けたいと思わせるのが「ヱントツコーヒー舎」さん。「京都でお買い物」のベスト1はオリーブオイルと胡椒で作るドレッシングにはまっている難波醤油の塩ポン酢。「京都でごはん食べ」は「オオタケ」さんとかなり迷いつつ、郊外で低価格なランチを始めた「わかばとしずく」さんです。
「カフェ読書」は「恋歌」も印象的だったし、「理由」もすごかった。レビューを書かなかった「一瞬の風になれ」も楽しく読みました。f0119179_4493812.jpgその中で自分の心情と妙にマッチした「ポプラの秋」を今年の一番に選びたいと思います。「鑑賞・観劇」は今年は数少なくて、完成度の高さから山海塾の「MEGURI」がベスト1。天児さんのアフタートークも興味深かった。新国立での東京公演は体調不良で天児さんが降板されたので、滋賀で観られて本当に良かったです。来年3月には大好きな「卵熱」のリクリエーション版が福岡で上演されるとか。わ、行きたい。来年も平和な日々であります様に。皆様、どうぞ良いお年を。
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by mmcmp | 2017-12-31 04:56 | Comments(0)

「MEGURI~海の賑わい 陸の静寂」

f0119179_22302030.jpg秋葉原の街頭演説での「安倍やめろ」「帰れコール」の嵐に切れて「こんな人たちに負ける訳には行かない」と言ってしまった安倍さん。負けちゃいましたね。あれで10議席減ったとも。そう言えば山本太郎はやめろのヤジに「そんなあなたも守りたい」って返したよね。歴史的惨敗の夜、会見せずに会食して、菅野さんもこのツイート。でも、会食は今日新たな派閥を立ち上げた麻生さんのセッティングだそうですね。そうそう、秋葉に集った人のツイートの中で印象に残ったのがこれ。国民の声だなぁ・・・。
さて、2日にびわ湖ホールで上演された山海塾公演「海の賑わい 陸の静寂-めぐり」を観ました。ウミユリの化石をデフォルメした壁の前で時の移り変わりや命の循環、水の回流や環境の変容を象徴する「回(めぐり)」が繰り広げられます。天児牛大の細部に至るまで美しいソロの「遠くからの呼び声」に始まって、水底に人知れず繰り広げられているであろう生物たちの営みが見事に表されていきました。終演後のトークによると、天児さんは三木成夫の著書「胎児の世界」の影響を受けているとか。個体発生は系統発生を表す。即ち、赤ちゃんは生まれる前に魚から両生類、哺乳類に変容してると言います。山海塾は加古隆やYAS-KAZ、吉川洋一郎の音楽も素敵で、音楽のリズムは生命のリズム、地球や太陽のリズム、潮の道引きともシンクロしていると。「化石の森」では空気を切る様な音にバリ島の蝉の声などが重ねられていたそう。音と光の重層の中で駆使される舞踏手の肉体にも宇宙を感じさせる見事な舞台でした。この作品を水辺のびわ湖ホールで観られたことも幸せでした。びわ湖の中でも、きっと見事な「めぐり」が繰り返されているんでしょうね。
http://www.sankaijuku.com/index.htm
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by mmcmp | 2017-07-03 23:19 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「UMUSUNA-歴史いぜんの記憶-うむすな」

f0119179_193293.jpg7日に「びわ湖ホール」で行われた山海塾公演「うむすな」を観ました。元々は声優さんファンから始まったモモ母の舞台好きなのに、今も見続けているものの一つが台詞のない山海塾の舞踏と言うのは、自分でも不思議。でも、美しく研ぎ澄またれたステージは、是非生で観ておきたいと思うのです。
「うむすな」って綺麗な言葉ですね。日本の古語で「うぶすな(産土)」と同源の言葉、「うぶす」は生まれるの意で、「な」は土、地をあらわす、「うむす」は有と無を含む意もあると主宰者の天児牛大はリーフレットに書いています。でもパリ市国立劇場を拠点に新作を発表し続けてきた山海塾では、新作のタイトルは初日の10日程前に決めるそうで、テーマは寧ろサブタイトルの「歴史いぜんの記憶」の様です。最も新しい「めぐり」が1つから2つになるのに対し、「うむすな」は2つで1つを描いているそうで、舞台にも砂を敷き詰めた2つのスペースが設けられ、背景には砂時計の様に砂が落ち続けて時を刻んで行きます。庭の片隅で発芽する植物や水の中でゆらめく水中生物等、人の目の届かない所で繰り返される生命の営みを見ている様な動き。加古隆、YAS-KAZ、吉川洋一郎の音楽がいつも良く、音楽と照明、美術、そして舞踏手が創る根源的な世界は、今回も本当に見事でした。天児牛大のソロも見ごたえがあり、65歳の肉体は全盛期を過ぎたとは言え、精神性は更に高まった感じ。山海塾の活動はまだまだ続くと思うけど、「うむすな」で描かれる様な時の流れは、人の心と体を刻々と変化させていく訳です。天児さんの肉体が作る芸術を生で観られるのは、とても貴重な機会だと改めて思うのでした。
http://www.sankaijuku.com/index.htm
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by mmcmp | 2015-06-09 20:11 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「二つの流れーから・み」

f0119179_22261657.jpgびわ湖ホール」で9日行われた山海塾「「二つの流れーから・み」を観ました。海外公演の多い山海塾、びわ湖ホールでは「とき」以来5年ぶりです。「から・み」は2010年パリ市立劇場で初演されたもの。「から」は外形としての肉体であり、表面を覆う外皮、「み」は魂を宿した肉体を意味するそうで、舞台上には赤と青の模様が描かれたアクリル板が下げられ、揺れ動く板の前や後ろで舞う生成りや白の衣装をまとった舞踏手に板の赤や青が映ります。その動きは水中でゆらゆら揺れる藻を思わせたり、豆が発芽する様を思わせり。太古の昔から人間が知らないところで密やかに繰り返されている命の営み、細胞といったミニマムな世界から無限の宇宙にまでつながる普遍的な美しさが、鍛えられた肉体を通して表現されていきます。赤く塗った指を蝶のごとく延々とひらひらさせたり、ゆっくりと再生するような動きは相当な鍛錬が必要なはず。もう髄分長く見続けている山海塾ですが、決して長身ではない日本人のこの身体バランスこそが良いのかもと、今回初めて感じました。
群舞も良かったけれど、やっばり圧巻は天児牛大のソロ。特に「遠のいていく記憶」の胡弓と済んだピアノの音色に載せて舞う研ぎ澄まされた姿に終始魅了されました。このパートを観られただけで、行った甲斐がありました。質の高いものを観ると本当に心躍ります。とは言え、誰もが面白いと感じるタイプの踊りではないので、数年に一度とは言え、継続して山海塾公演を行ってくれるびわ湖ホールに感謝。水との親和性を感じるこのホールは、天児さんもお好きな様子。練習に鏡は使わない、平行と垂直を考えているといった上演後の天児さんのポストパフォーマンストークも興味深いものでした。
http://sankaijuku.com/index.htm
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by mmcmp | 2013-06-09 23:48 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「時のなかの時-とき」

f0119179_0441942.jpgびわ湖ホールで山海塾の「時のなかの時-とき」を観ました。びわ湖ホールはホワイエから琵琶湖が眺められ、山海塾の公演がとても似合う空間です。席に着くと舞台上には扇状に立てられた7本の黒い柱。流れる音楽が場内を日常から切り離していきます。暗転の後に浮かび上がる人影。鍛えられた舞踏手の動きは、流れ続ける時間の中で繰り返される生命の営みを、彷彿とさせます。たとえば海の底で、森の奥で、都会の片隅で・・・。
ステージは約90分。それは時間や生命といった根源的なテーマと向き合うひとときでもあります。それにしても、ソロで踊る天児牛大の指の先に至るまでの一挙手一投足のなんと美しいこと。若い舞踏手ののびやかなパフォーマンスも良かったけれど、天児氏は圧倒的な迫力で観客を魅せます。「踊るものたちの指、足先、首がほんの少し動いた瞬間に、空間と時間が入れ替わる」とチラシにありますが、刻々と変化する時を、人は生きているんですよね。10月の世田谷パブリックシアターでの新作も観たいなあ・・・と思ったら、来年3月には池袋で「金柑少年」をやるようです。生きた孔雀と踊るパートが好きだし、観に行こうか・・・あ、5月にはモモ母が一番好きな「卵熱」を福島でやるようで。観たいけど、さすがに福島は遠いです・・・。
http://mv-theatrix.eplus2.jp/article/105911573.html
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by mmcmp | 2008-09-29 01:59 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)

「岩下徹+トチアキタイヨウ」

f0119179_23355381.jpg京都芸術劇場Studio21に、岩下徹とトチアキタイヨウの即興ダンスセッションを観に行きました。二人は共に「山海塾」の舞踏家です。岩下徹は先月の「動物の演劇」に続いて今年二度目ですが、ミカ・ヴァイニオ+渋谷慶一郎の音楽(というより音)の影響か、身のこなしはいつもと同じなのに、動きは「動物の演劇」とも山海塾とも違う印象。互いを意識しつつも結びつくことなく、それぞれの反応を延々と繰り広げる二人のダンサーを見ていると、物質が外からの刺激に対して自然に反応する様子をイメージさせました。
モモ母の目に物質的に映ったのは、細かく速い動きが絶え間なく続いても、前半はほとんど息があがらないダンサー、とりわけ岩下徹の身体能力に魅了されたせいかも知れません。後半は逆に呼吸することが、生命を有する者ならではの行為として表現されているかのように感じ、踊ることも含めた人間のすべての行為を「反応」として認識しました。万人受けするステージとは思いませんが、モモ母は観に行って良かったです!
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by mmcmp | 2007-02-20 00:29 | 観劇・鑑賞 | Comments(0)